今や多くの企業が取り組むSEO対策ですが、実際に検索結果の順位は上がったものの流入数が少ないというケースがあります。
基本的に検索結果の順位が上がれば流入数も増えるものですが、想定以上に増えない場合クリック率(CTR)を高めるための対策を講じる必要があります。
そこで今回は、Google検索におけるクリック率の特徴やメリット、CTRが低くなる原因から高めるコツまで、詳しく解説していきます。
Google検索におけるクリック率(CTR)とは
Google検索におけるクリック率とは、表示回数に対してどれだけクリックされたかを表す数値です。
例えば特定のキーワードで入力した際に100回自社サイトが表示され、そのうち自社サイトのリンクをクリックされたのが3回だった場合、3%がクリック率になります。
ただし、表示された回数とはあくまで検索結果に表示された回数であり、ユーザーが目視・認識した数ではない点には注意が必要です。
例えば検索結果の1ページ目に表示されたとしても、9番目・10番目などの下の方に表示されており、ユーザーはそこにたどり着く前に別のサイトを見てしまう場合もあります。
その場合、ユーザーは下の方にあるサイトを認識していないものの、表示回数には含まれてしまいます。
Google検索におけるCTRの重要性
Google検索においてCTRは、成果にもつながる重要な要素と言えます。
そもそもCTRが高いということは、自社サイトへの流入数が高いことを示しています。
サイトへの流入数が増えれば、単純に問い合わせ件数や商品・サービスの購入数が増える可能性も高いです。
CVRが多少低かったとしても、流入数が多ければ自社商品やブランドの認知拡大にもつながり、次の購買行動につながることも考えられるでしょう。
そのため、Google検索でCTRを高めることはWebマーケティングにおいても重要なポイントと言えるのです。
CTRを確認する方法
自社サイトのCTRを確認したい場合は、Googleサーチコンソールから確認してみましょう。
まずGoogleサーチコンソールを開いたらログインし、左のメニューから「検索パフォーマンス」を選択します。
検索パフォーマンスが表示されたら右側の「レポート全体」をクリックすると、「合計クリック数」や「合計表示回数」、「平均CTR」、「平均掲載順位」を確認することが可能です。
また、同じページ内で上位のクエリごとの検索順位とCTRをチェックすることもできます。
検索順位とクリック率は大きく関係している
Google検索の順位とクリック率は相関関係があると言われています。
seoClarityが国別に検索順位ごとのCTR(全デバイス)を調査し、以下の結果が出ました。
1位:13.94%
2位:7.52%
3位:4.68%
4位:3.91%
5位:2.98%
6位:2.42%
7位:2.06%
8位:1.78%
9位:1.46%
10位:1.32%
引用:seoClarity CTR by Country (All Devices)
検索順位は1位から10位まで同じページに表示されているものの、実際にCTRを見ると1位は13.94%なのに対し、10位は1.32%と10倍近くの差が見られます。
この結果から、検索順位が高ければ高いほどCTRは高くなりやすく、逆に検索順位が伸び悩めばCTRも低くなってしまうと言えます。
そのため、CTRを高めるためには検索順位を上げるための対策も講じることが大切です。
クリック率が低くなってしまう原因とは?
検索結果の上位に表示されているにも関わらず、なぜかCTRが低いというケースもあります。
検索結果の上位なのにCTRが低くなってしまう原因としては、以下の3つが考えられます。
検索結果の中で存在感がない
1つ目の原因として、検索結果の中で存在感がなく、目立っていないことが挙げられます。
例えば特定のキーワードで検索結果の1位を獲得できた場合、相関関係の強さからCTRも増えることが期待できます。
しかし、リッチスニペットが表示されていない場合、2位以下のサイトにユーザーが移行してしまう恐れがあるのです。
リッチスニペットとは、サイト内の情報を要約させたものです。
基本的に検索結果で表示された際には、サイト名の下にメタディスクリプション(サイトの簡易的な説明文)やmetaタグの記載から抽出されたスニペットが表示されます。
リッチスニペットでは説明文だけでなく、例えばパンくずリストやサイトリンク、商品に関する情報なども記載することが可能です。
リッチスニペットは他のサイトとの差別化を図ることができ、目を引きやすくなります。
また、他のサイトよりも情報量が多いように見せられることから、CTRも高まりやすいです。
逆に検索結果で1位を獲得できたとしても、2位のサイトがリッチスニペットで充実した情報を掲載していた場合、そちらにユーザーが流れてしまうことも考えられます。
魅力的なタイトルではない
Google検索を使ったユーザーは、どのサイトを見ようか選ぶ際にまずはタイトルを見ます。
このタイトルに検索したキーワードが含まれていなかったり、逆に過剰に詰め込まれすぎたりしていると、たとえ上位表示されたとしてもスルーされる恐れがあります。
そのため、CTRが低い原因として魅力的なタイトルではないことも挙げられるでしょう。
ユーザーの興味を引くタイトルにするためには、競合他社と似たようなタイトルにしても意味がありません。
そのタイトルを見ただけでどんなことが書かれているのか、興味を引くような表現が使われているかなどが重要となってきます。
さらに、魅力的なタイトルにしようとたくさん言葉を詰め込んでしまうと、検索結果で省略されてしまう場合もあるので注意が必要です。
ユーザーが求める検索形式に対応できていない
これまで分からないことを調べる時は、検索エンジンを使ってキーワード検索をかけるのが一般的でした。
しかし、現在はキーワード(単語)で検索するのではなく、長文や質問形式のクエリも増えています。
長文や質問形式のクエリが増えたということは、ユーザーのニーズや課題解決につながる正しい情報を提供することが重要です。
また、近年はゼロクリック検索の需要も高まっています。
ゼロクリック検索はGoogleの検索結果ページの上部に表示されている情報で、ユーザーがサイトをクリックしなくても必要な情報を得られるようになっています。
このように検索形式の変容が影響し、いくら上位に表示されたとしてもユーザーが求める検索形式に対応できていないことで、CTRの低下につながる可能性があるでしょう。
Google検索のクリック率を高めるコツ
Google検索でCTRを高めるには、以下のコツを対策として取り入れてみてください。
タイトルやメタディスクリプションを見直す
まずCTRを高めるために行いたいのが、タイトル・メタディスクリプションの見直しです。
CTRの高いタイトルを作成するためには、以下の要素を取り入れることが重要となります。
・数字を入れる
・ベネフィットを入れる
・キラーフレーズを使う
・関連キーワードを組み込む
タイトルに数字を使うことで具体性が高まり、ユーザーの興味を引くことができます。
また、検索ユーザーのニーズを読み取り、サイト内で検索ユーザーにとってのベネフィットを説明していることを示せば、CTRも高まる可能性があります。
キラーフレーズとは、ビジネスシーンにおいて相手の心をつかむような力強い言葉や、行動を促すような効果が期待できる言葉です。
例えば新しい情報があることを期待できるような「これまでにない」「最新版」や、他のサイトではあまり見られない情報を持っていることが期待できる「秘訣」「真実」などはキラーフレーズとして用いられます。
さらに、ユーザーが検索キーワードと一緒に入力する可能性の高い、関連キーワードをタイトルやメタディスクリプションに盛り込むと、ユーザーのニーズを満たす情報と判断されやすいです。
これらのポイントを押さえつつ、タイトルやメタディスクリプションの見直しと改善を図りましょう。
記事やサイトを更新する
検索結果に表示されるのはタイトルやメタディスクリプションだけではありません。
その記事・サイトの更新日も表示されています。
例えば似たようなタイトル・メタディスクリプションのサイトがあり、一方は更新日が2020年、もう一方は2025年だったとします。
ユーザーはより最新の情報を得るために、2025年に更新されているサイトをクリックする傾向にあります。
そのため、記事やサイトを更新することもCTRを高めるためのコツになります。
ただし、記事の中身を一切変えず更新だけを行ってしまうと、逆に検索順位が落ちてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
強調スニペットの表示を狙う
強調スニペットとは、検索結果の1位のページリンクが表示される前に、その記事のスニペット(抜粋)を表示する仕組みを指します。
強調スニペットはページリンクが表示される前にサイト内の文章を抜粋して表示しており、ユーザーはゼロクリックで検索ニーズを満たすことも可能です。
しかし、強調スニペットによって大きく表示されれば、通常の1位を獲得した時よりもCTR向上につながります。
強調スニペットの表示を狙うには、まず検索結果の1位を獲得しなくてはなりません。
また、検索キーワードに対して明確な答えが出る文章を入れることで、強調スニペットが表示されやすくなります。
SEO対策と同時進行で強調スニペットの表示も狙っていきましょう。
リッチスニペットを表示させる
検索結果ページの中で自社サイトのリンクをより目立たせるために、リッチスニペット形式で表示させるのがおすすめです。
このリッチスニペット形式で表示させるためには、HTMLに構造化データのタグを記述する方法と、Googleサーチコンソールからデータハイライターで既存ページのテキストを構造化データとして使用する方法の2つから選べます。
データハイライターを使った方法はHTMLを変更せずに構造化データを指定できますが、一部の構造化データにしか対応していないので、注意が必要です。
今回は、Google検索におけるCTRが低くなる原因と高めるコツについて解説してきました。
せっかく検索結果の上位に表示されたとしても、他のサイトより目立っていないとCTRも上がりにくいです。
目立たせる以外にも、検索ニーズにきちんと応えているタイトル・メタディスクリプションに改善することも重要となります。
今回ご紹介したコツを押さえて、CTRの向上を目指しましょう。