Googleの検索結果画面に表示される「関連する質問」は、検索から発展して抱いた疑問に対してもすぐ解決できるような仕様です。

この「関連する質問」は「PAA(People Also Ask)」とも呼ばれており、SEO対策としても活用されています。

PAAを活用したSEO対策を行う際に、AIで自動生成したFAQコンテンツでも効果が大きいと言われています。

AI自動生成によるFAQコンテンツは、なぜPAAにも有効なのでしょうか?

今回はPAAの特徴からSEO対策への活用、さらにAIによるFAQコンテンツがPAAに有効な理由などを解説します。

 

PAA(People Also Ask)とは?

まずはPAAがどのようなものなのか、特徴について紹介しましょう。

 

PAAとは、「他のユーザーが検索した質問」という意味を持っており、Googleの検索画面に表示されている「関連する質問」を指します。

海外では2017年頃からすでに導入されており、日本国内のGoogleでもPAAが表示されるようになりました。

例えばGoogleの検索窓から「PAAとは」で検索した際に、関連する質問には以下の質問が掲載されています。

 

「PAAとは何の略ですか?」

「PAAとはSEOで何ですか?」

「他の人はこちらも検索と表示されるのはなぜ?」

「PAA表示とは?」

 

PAAが何かを知りたい人の中には、SEO対策との関連性やなぜ表示されるのか理由を知りたい人もいるでしょう。

ここまでたどり着くためには一つひとつ検索し直す必要がありますが、PAAを活用すればすぐに知りたい情報を得られるため、ユーザーの手間が省けます。

 

PAAに表示される回答結果

PAAに表示される回答結果は、Webサイトの一部を抜粋したものになります。

Google側やAIで作成した回答ではなく、あくまでWebサイトの中から該当する箇所を抜き出し、回答として表示しています。

ただし、回答の抜粋は機械的に行われており、必ずしも正確な答えが表示されるとは限りません。

もし明らかに間違っている情報が記載されていたり、PAAに掲載された質問と検索キーワードの関連性があまりなかったりする場合は、フィードバックから提案内容を入力することで、質問・回答の差し替えが行われます。

 

PAAと強調スニペットに関連性はあるのか?

PAAと同様に、Googleの検索結果に見られる機能として「強調スニペット」があります。

強調スニペットはKnowクエリで検索した際に、既存のWebページの中から適切な回答を一部抜粋し、検索結果の一番上に表示されます。

検索結果の一番上に表示されることから、検索ユーザーはわざわざ他のWebサイトまでアクセスする必要がなくなります。

そんな強調スニペットはPAAとの関連性も大きいと考えられています。

その理由として、強調スニペットで表示された情報がPAAでも表示されているケースが散見されているためです。

そのため、PAAと強調スニペットで情報が共有されており、表示される内容も似てしまうのではないかと推測できます。

 

 

AI自動生成によるFAQコンテンツがPAAにも有効な理由

FAQコンテンツを作成するためには、まずは必要な情報を収集・分析し、質問に対する紐づけを行ってからFAQを作成していきます。

さらに、必要な情報が明記されているか、誤字脱字はないか、などのチェックも含まれることから、1つのFAQを作るのに時間がかかってしまうものです。

PAA対策でFAQコンテンツを作成するなら、内容を充実させる必要があることから、ある程度リソースを割くことが重要となってくるでしょう。

一方で、近年はAI技術の活用により、FAQコンテンツを自動生成することも可能です。

AI自動生成によって作成したFAQコンテンツは、PAAにも効果的とされています。

その理由として挙げられるのは、以下のとおりです。

 

スピーディーに大量のコンテンツを作成できる

AIの自動生成を活用すれば、人の手で一つひとつコンテンツを作成するよりも圧倒的に素早く大量のコンテンツを作成できます。

大量のコンテンツを作成できれば、人間はコアな業務に集中できるだけでなく、PAAにも多様な質問を反映させることが可能です。

 

ユーザーの検索意図を網羅できる

PAAに表示される質問や回答は、Googleが設定したアルゴリズムに基づき、「検索したユーザーは他にどんな疑問を持ちやすいのか」を予測して自動的に表示されます。

AI自動生成でFAQコンテンツを作成する場合、手作業では難しい規模の質問や回答を準備できるため、PAAが抜粋しやすい多様な質問も網羅できます。

 

機械学習による継続的な改善で精度も向上する

生成AIの機械学習は使い続けていくことで、より大きな効果を発揮することが可能です。

例えば顧客の問い合わせ内容などをAIに学習させれば、自然とAIの学習量も増えていき、より幅広い情報の網羅と質問・回答における精度向上が期待できます。

精度が向上し、ユーザーにとってわかりやすいFAQが大量に作成できればPAAで表示される可能性は高いです。

 

潜在的なニーズもカバーできる

PAAはユーザーが求めている質問だけに留まらず、AIによって潜在的に抱えている疑問に対しても回答を表示してくれる場合があります。

人間だと想定していなかったことも、AIならパターンを抽出して潜在的なニーズも拾い上げた上でFAQを大量に作成できることから、PAAにもマッチしやすいと言えます。

 

 

PAAに表示されるためのコツ

SEO対策としてPAAで自社コンテンツを表示させるためには、どのように対策を講じれば良いのでしょうか?

続いては、PAAに表示されるためのコツを紹介します。

 

検索ボリュームが大きい「Knowクエリ」を狙う

PAAに表示されるFAQコンテンツを作成するために、まずは検索ボリュームの大きいKnowクエリを狙っていきましょう。

Knowクエリとは、ユーザーが「情報を得たい」という目的で検索するクエリ(ユーザーが検索窓に入力し、検索しようとする語句・文章です。

検索クエリには他にもGoクエリやDoクエリ、Buyクエリなどもありますが、この中で特に検索ボリュームが大きいのはKnowクエリになります。

PAAも他の検索クエリよりKnowクエリの方が表示されやすい傾向にあることから、まずはKnowクエリを狙っていきましょう。

 

SEOのキーワードで上位表示を目指す

PAAは上記でも紹介したように、強調スニペットと同じアルゴリズムが用いられている可能性が考えられます。

強調スニペットに表示されれば自ずとPAAにも自社コンテンツが表示されやすくなるでしょう。

強調スニペットで表示されるには、Googleのアルゴリズムから評価されて検索結果の上位表示されることが重要となってきます。

自社コンテンツの検索順位を確認し、順位の低いページを中心に改善していき、良質なコンテンツを作っていきましょう。

 

PAAに表示されている内容を見出しや本文に含める

PAAはAIなどが質問を選定し、既存のWebページから一部を抜粋する形で表示されます。

PAAの表示にもAI技術が活用されていますが、表示される内容はこれまで数多くのユーザーが検索してきた結果を元にしていることから、ユーザーの検索ニーズもきちんと反映されていると言えます。

このことから、PAAにある質問や回答を自社コンテンツの見出し・本文に含めれば、ユーザーのニーズを満たせる記事が作成できるでしょう。

ユーザーのニーズを満たすコンテンツは、Googleからも評価され、検索結果の上位に表示される可能性が高まります。

当然ではありますが、質問や回答とすべて同じ文言を使っていては評価されないので注意が必要です。

PAAに使われているキーワードなどを抽出し、傾向などもチェックしながら見出し・本文に含めてコンテンツを作成してみましょう。

 

文章は簡潔にまとめる

AI自動生成を活用してFAQコンテンツを作成する際に気を付けてほしいのが、わかりやすく簡潔な文章です。

PAAや強調スニペットは、いずれも50~200文字以内にまとめられた文章を抜粋する傾向にあります。

そのため、FAQコンテンツの回答を作成する時も、できるだけ50~200文字以内にまとめられるよう、プロンプトを設定する必要があります。

また、強調スニペットに表示されやすいようにするには、簡潔な表現方法を取り入れることも大切です。

例えば、「~~~とは、~~~です。」という文章は、答えを明確にしているためPAAの回答にも抜粋されやすい傾向にあります。

さらに、箇条書きや番号付きリストなどを活用したり、画像や動画を使ったりするのも効果的です。

丁寧な文章にしようとすると、かえって冗長になりすぎるので注意してください。

 

HTMLタグを用いたマークアップを行う

HTMLタグを使って適切なマークアップを行うことも重要です。

GoogleはHTMLを読み込んでからどのようなWebページなのかを評価するため、HTMLが間違っているとコンテンツの内容がうまく伝わらない可能性があります。

見出しに使用するhタグをはじめ、リストを表すlist・ol・ulタグ、表を作成する際に使われるtableタグなどが挙げられます。

また、コンテンツに画像を掲載する際にはaltタグも記載することが大切です。

 

Googleのポリシーに準拠する

PAAや強調スニペットに表示されるためには、そもそもGoogleのポリシーに準拠していなくてはなりません。

例えば、以下のようなコンテンツだとPAAや強調スニペットに表示されなくなってしまうので注意してください。

 

・危険なコンテンツ

・欺瞞行為(虚偽表示など)

・ハラスメントコンテンツ

・ヘイトコンテンツ

・操作されたメディア

・医療コンテンツ

・性的描写が露骨なコンテンツ

・テロ関連のコンテンツ

・暴力、残虐行為

・下品な言葉や冒涜的表現

 

なお、これらのコンテンツはPAAや強調スニペットに表示されないだけでなく、検索結果の順位にも影響が出てしまいます。

AIで自動生成する際にもGoogleのポリシーに準拠したFAQコンテンツになるよう、人間の目でも確認しておくことが大切です。

 

 

今回は、PAAの特徴からAI自動生成によるFAQコンテンツがPAAに効果的な理由などをご紹介してきました。

PAAは検索ユーザー側からすると、わざわざ検索をかけなくても次の情報を知ることができるため、非常に便利な機能と言えます。

コンテンツを制作する企業側にとっても、自社サイトへの流入につながることも考えられることから、SEO対策として取り入れたい部分でもあります。

AI自動生成によるFAQコンテンツでもPAAには有効なので、AIをうまく活用してPAA表示を狙っていきましょう。