スマホの普及によって、SNSは現代において欠かせないツールとなっています。

多くの人たちが利用しており、日々様々な内容の投稿がされています。

情報収集にも使える便利なツールですが、企業にとってはリスクにもなり得るので注意が必要です。

特にSNS炎上は企業に与える影響が大きいです。

場合によっては事業継続が危ぶまれる可能性もあるため、リスクを防ぐためにも対策を施さなければいけません。

そこで今回は、SNSの炎上が起きる要因やSNS炎上が企業に与えるリスクなどを解説していきます。

リスクを防ぐための対策や表面化した時の対処法なども解説していくので、炎上を防止するための策を検討している企業担当者の方や対処法について理解したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

SNSの炎上が起きる要因

SNSで炎上が起きる要因は様々です。

SNSで広がれば世界中に瞬く間に拡散されるので、経営に深刻な影響を及ぼすので注意が必要です。

SNSの炎上が起きる要因や発生のメカニズムをご紹介していきましょう。

 

根拠のない情報の拡散

SNS炎上は事実だけではなく嘘の情報でも起こり得ます。

根拠のないデマや誤解に基づく情報が拡散され、不当に評判を傷付けられる行為です。

風評被害が発生すれば、様々な悪影響がもたらされます。

その場合は、被害を拡大させないためにも、迅速な行動が大切です。

広まっている情報は嘘であると発表し、悪質なコメントや情報を拡散した人に対しては、法的措置も検討していきましょう。

 

従業員による不適切な行動や発言

従業員による行動によって被害が起きる可能性もあります。

例えば、以下のような内容です。

 

・店舗スタッフによる仕事中に悪ふざけをした様子の動画投稿

・SNSの個人アカウントでの差別的な発言の拡散

・SNSの個人アカウントでの政治批判による炎上

 

会社に関連する内容だけではなく、全く関係のあるプライベートな内容が炎上するリスクもあります。

勤めている会社をSNS上で公表していなくても、過去の投稿からヒントを得て住んでいる地域などを絞り込んでいくため、名前や住所、勤めている会社などもすぐに明るみになってしまいます。

例えプライベートな内容でも、発信する内容には責任を持つことが大切です。

 

商品やサービスの品質低下

商品やサービスの品質低下にも注意してください。

 

・メニューと実際の料理に大きな違いがある

・広告で見た内容と大きな違いがあった

・以前よりも料理の味が落ちている

・サービス内容が悪くなっている

・接客態度が悪い など

 

品質に関するネガティブな評価がSNS上で投稿されれば、一気に拡散されてしまいます。

特に、違法性を指摘されれば適切な対応をとらないと企業の信頼を失墜させることにつながるので注意してください。

 

顧客対応の不備

顧客との対応は企業によって重要です。

適切な対応ができていなければ、世間からの批判を集めてしまうので注意が必要です。

 

・問い合わせに対する態度が冷たい

・クレームに対する対応が悪い(対応の遅れやたらい回しなど)

・トラブルが起きた際に誠意や説明責任を果たさない

・トラブル時の対応が動画や録音されて炎上

 

優れたカスタマーサポートは企業の強みとなります。

しかし、対応ミスがあれば企業の評判を落とす要因です。

クレーム対応やトラブル時の対応は、社員教育が重要なポイントとなります。

 

セキュリティ事故

会社が所有している顧客の個人情報や会社の機密情報漏洩も炎上を引き起こす要因です。

サイバー攻撃や人為的なミスによっても起きる可能性があるので注意してください。

 

・顧客情報を間違って外部に送信してしまう

・セキュリティソフトの設定ミス

・社内システムの設定ミス

・サイバー攻撃による情報流出

 

上記が主な要因です。

また、上記の内容が原因でデータが流出した場合、被害状況や再発防止策を適切に開示しないことで炎上するリスクがあります。

 

企業体質に関する内容

労働環境や法令違反なども批判の対象になりやすいです。

 

・パワハラの常態化

・セクハラの常態化

・長時間労働の強要

・休日出勤の強要

・法令違反の発覚

・環境対応を軽視した姿勢

 

などが挙げられます。

こうした問題は内部告発によって事態が明るみに出ることも多いです。

社員や関係者がSNSで発信することで拡散し、炎上する仕組みです。

内部の人間にしかわからないような投稿が暴露されることで、離職者が増える他、人材の確保が難しくなるといったリスクがあります。

 

炎上するメカニズム

企業がSNSによって炎上してしまう要因は様々です。

発生要因が広まる流れは以下のようになっています。

 

①企業による不祥事の発生や不適切な投稿など、炎上となる要因の発生

②SNSユーザーによる批判的な反応、投稿の拡散

③影響力のあるネットニュースやインフルエンサーによる拡散

④マスメディアによる報道

 

初動の遅さによって、さらなる炎上を生む可能性があるので、対策はすぐに打ち出すことが重要です。

 

 

レピュテーションリスクを防ぐための対策

SNS炎上によって、売上の減少や人材の流出、採用活動の長期化や信頼喪失など、企業には様々なリスクが考えられます。

これらを防ぐためにも、企業はあらかじめ対策を施す必要があります。

ここでは、レピュテーションリスクを防ぐための対策方法を具体的に解説していきましょう。

 

レピュテーションとは

レピュテーションとは、「評判」や「風評」を意味する言葉です。

企業への評価を指す言葉となり、企業に対する信頼性を表しているので、ブランド力や社員のモチベーション、採用活動に影響を与える要因です。

評判の悪い企業とは付き合いを持ちたくないと考える企業は多いので、取引や投資をする際には各企業のレピュテーションを意識することが大切です。

 

レピュテーションリスク対策の方法

レピュテーションリスクへの対策方法を解説していきます。

マニュアルの作成

SNSを使う上でのマニュアルを作成しておきます。

企業ではSNS運用担当もいるため、ルールを定めておけば炎上リスクを低減できます。

・投稿してはいけない内容

・使うべきではない言葉

・情報収集をすべきサイト例

・投稿する前のチェックフロー

・投稿を削除する際のルール

・モニタリングをする頻度 など

また、SNS運用マニュアル以外にも、従業員個人によるSNS運用の指針をまとめたガイドラインの作成も進めていきましょう。

レピュテーションリスクの事例や運用ルールを構築し、全従業員に周知させてください。

社内研修

従業員一人ひとりのリスク意識を高めるためにも、社内研修の実施も欠かせません。

適切な利用方法やネットリテラシー、機密情報や個人情報の取り扱いなど、学ぶ機会を定期的に提供することで炎上リスクを防ぐことに役立ちます。

監視体制の強化

監視体制を構築することもレピュテーションリスクを防ぐために有効な手段の1つです。

内部監査や第三者機関を設置することで、社内の不正行為を見逃さずに問題の早期発見を目指せます。

また、SNSや口コミサイトを常時監視すれば、根拠のないデマや誹謗中傷をすぐに見つけることに役立ち、早期対応にもつながります。

労働環境改善

レピュテーションリスクを防ぐためには、従業員の労働環境を整備することも大切です。

労働環境に対する不満が蓄積すれば、内部告発によって問題が明るみになる可能性があります。

関係者の不満を溜めないためにも、労働環境を整えて、働きやすい環境を構築しましょう。

対応フローの策定

万が一、レピュテーションリスクが表面化した場合でも冷静に対処するために、前もって対応フローを策定しておく必要があります。

迅速な対応が不可欠なので、フローがあれば炎上を抑え込むことにも役立ちます。

運用マニュアルと合わせて作成していきましょう。

 

 

レピュテーションリスクが表面化した時の対処法

レピュテーションリスクを回避するために対策を施しても、完全に防ぐのは難しいです。

万が一の際に備えるためにも、事前に対処法について理解していきましょう。

ここでは、レピュテーションリスクが表面化した際に企業がとるべき対応を解説していきます。

 

事実確認

まずは、レピュテーションリスクの顕著化する要因となった事柄の真意を確認することから始めます。

何が問題になっているのかを素早く判断する他、デマではなく事実であるかを把握していきます。

事実の確認を行わないまま謝罪をしても批判が強まる可能性があり、さらに炎上が大きくなってしまうケースもあります。

事実確認では、担当者1人で判断するのではなく、複数人で事実確認を行うことを徹底し、冷静に対応してください。

 

透明性のある説明

事実確認が終わったら企業側から速やかに情報を公表します。

公表は、自社のホームページの他にマスメディアを通じて公表するのが一般的です。

発表内容は慎重に判断する必要があるので、企業だけで検討するのではなく、弁護士といった専門家への相談が推奨されています。

 

再発防止策の実施

レピュテーションリスクによる不祥事が発生した時でも、その後の対応によって企業の信頼を回復させることは可能です。

同じ原因による不祥事を二度と起こさないためにも再発防止策を検討して実施する必要があります。

インターネットで拡散された情報はデジタルタトゥーとして半永久的に残り続けます。

良いイメージを再び持ってもらうためにも、どう対策をすれば炎上が起きないかを考え、再発防止策をまとめていきましょう。

また、考えた防止策は対外的に公表します。

 

法的措置の検討

レピュテーションリスクによる悪質な虚偽情報や風評被害があれば、法的措置を検討してください。

根拠のない悪質な情報をSNSやネットに書き込まれたら、名誉毀損を理由に損害賠償を請求できる他、削除申請を行えます。

法的責任を追及して会社の正当性を示せば、信頼回復にもつながります。

 

 

今回はSNS炎上を防ぐためにも、レピュテーション対策の方法や対処法について解説してきました。

SNSは多くの人たちが利用しているので、しっかりとした対応をしないと、さらなる炎上を引き起こす可能性があります。

SNSに関するマニュアルを作成し、従業員に対しては教育を行うことも大切です。

今回ご紹介した内容を参考に、防止策を施していきましょう。