人工知能いわゆるAIの進化によって世の中は非常に便利になってきています。
しかし、間違った使い方による犯罪行為が増えているのも事実です。
中でもディープフェイクによる被害によってダメージを受ける危険性もあります。
有名人だけではなく、一般の方や企業が脅威にさらされる可能性もあるので注意が必要です。
そこで今回は、ディープフェイクがどういったものなのか解説すると共に、ディープフェイクによって起こる誹謗中傷被害や考えられる罰則、対処法などをご紹介していきます。
ディープフェイクによるリスクを知りたい方や誹謗中傷で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
ディープフェイクとは
「ディープラーニング」と「フェイク」を組み合わせた造語がディープフェイクです。
ディープラーニングはAI技術の深層学習を意味し、フェイクは嘘を意味します。
AIは大量のデータを学習することができます。
そのため、特定の人物の画像を数百枚~数千枚用意すれば、ディープラーニングによって表情や顔つきを分析し、学習する仕組みです。
この学習法によって、他人が映っている動画を他の人物にすり替えることができるため、偽物の動画を作り出す技術をディープフェイクと言います。
画像のみならず、声を作成することもできるため、実際に話をしている動画を作り出すことも可能です。
従来、合成の動画を作成しても低い制度に留まっていましたが、IT技術の進歩によって本物と見間違えるほど、精巧な映像が作成できるようになっています。
そのため、ディープフェイクを見た人たちが本人が言動したことだと誤認してしまうことで誹謗中傷に発展するケースが多いです。
SNSで拡散されれば世界中に一気に広まるため、大きな被害を受ける可能性もあるでしょう。
ディープフェイクを作成するにしても、AI技術を活用するため「作成するのは難しい」と考える方もいます。
しかし、アプリやソフトが登場しているため、誰でも手軽に作成できる点に注意が必要です。
必要な素材をアップロードするだけで、ディープフェイク動画を作れるサービスもあるため、身近な問題として起こる可能性があることを覚えておきましょう。
ディープフェイクによる誹謗中傷被害
ディープフェイクを個人的に楽しむためだけに利用するのであれば何も問題ありません。
しかし、第三者に披露したりSNSに投稿したりすれば大きな問題になります。
ディープフェイクによる誹謗中傷につながる被害は、以下のような動画が考えられます。
・アダルトビデオに合成した動画
・バイトテロ行為をしている映像に合成された動画
・いじめ行為をしている映像に合成された動画
・違法行為をしている映像に合成された動画
・自分が主張している意見と異なる発言をしている動画の作成
上記のようなディープフェイク動画が拡散されてしまえば、個人や企業の社会的信用が低下してしまいます。
一般の人であれば、風評被害によって就職や転職、結婚などに支障が出る可能性があります。
有名人であれば仕事で不利な状況に陥る危険性があるでしょう。
企業の場合は、風評被害によって売り上げの低下や企業イメージの悪化、取引の停止や人材確保が難しくなるといった様々なリスクがあります。
嫌がらせやいたずら、報復などが目的で作成されて拡散されるケースがあるので注意が必要です。
ディープフェイクで考えられる罪
ディープフェイクによる動画で犯罪行為に発展するケースもあります。
しかし、ディープフェイクを作ること自体は犯罪ではありません。
前述したように個人で楽しむことが目的であれば問題はないのです。
しかし、多くの人たちが閲覧できる状態で公開すれば罰則の対象となるケースもあります。
考えられる罰則をご紹介していきましょう。
名誉毀損罪
他人の名誉を毀損する行為による罰則が名誉毀損罪です。
刑法第230条に規定されており、3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金が科せられます。
例えば個人の画像を使って、違法行為をしているディープフェイク動画や悪口を言っている動画をAIを使って作成し、SNS上に投稿して名誉を毀損したと認められれば動画を作成して投稿した人物に対して罰則を与えられます。
著作権侵害
著作権者の許可を得ないまま他人に著作物を利用する行為が著作権侵害です。
権利者が告訴をすれば、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられるケースもあります。
例えば、アダルトビデオに合成をしてディープフェイク動画を作成し、不特定多数の人たちに公開した場合は、アダルトビデオ制作会社に著作権があるので、制作会社の同一性保持権を侵害したことで罰則を与えられる可能性があります。
肖像権侵害
個人の許可を得ずに写真や動画を公開する行為が肖像権侵害です。
ディープフェイクでは、無断で他人の顔を動画利用するため、肖像権侵害にあたる可能性が高いです。
動画を作成した人物を特定できれば、損害賠償を請求することが可能です。
わいせつ物頒布等罪
わいせつな画像や動画などを頒布したり公然と陳列したりする犯罪行為がわいせつ物頒布等罪です。
例えば、ディープフェイクポルノをネット上に公開する他、転売を目的としてディープフェイクポルノを保持するのはわいせつ物頒布等罪にあたる可能性があります。
2年以下の懲役または250万円以下の罰金、もしくは両方を科されます。
ディープフェイクによる誹謗中傷の対処法
ディープフェイクによる動画が、個人や企業によって社会的なイメージを著しく低下させるような内容であれば、様々なリスクがあります。
誹謗中傷にあたるような内容だった場合は、以下のような対処方法が考えられます。
作成者に削除を要請する
動画を作成した人物が特定できている場合は、作成者に対して動画の削除を要請しましょう。
XやInstagramといったSNSのアカウントを持っており、そこで発信をし続けているのなら、ダイレクトメールの機能を活用して連絡を取るのもおすすめです。
しかし、被害者が直接連絡を取ったとしても、無視される可能性もあります。
最悪の場合は、アカウントや証拠などを全て削除して逃げるリスクもあるので注意してください。
そのため、被害の証拠となる動画や投稿した日時、アカウント名やURLなどを必ず保存してからコンタクトをとってみてください。
弁護士への相談もおすすめ
動画の作成者が特定できない場合や、特定できていても削除に応じない場合には、サイトの管理者に削除を請求することも可能です。
掲示板やSNSに動画が投稿された場合、利用規約に違反する行為だと認識されればコンテンツを削除してくれます。
そのため、具体的にどの規約に違反しているのか具体的に明示する必要があります。
管理者が削除に応じない場合には、裁判所を通じて仮処分を行い、記事の削除を求めることもできます。
しかし、これらの行為には知識が必要になるので個人では難しいケースもあります。
ネット上に掲載されている時間が長くなるほど被害も大きく拡大していくため、スピーディな対処が肝心です。
そのため、ディープフェイクによる誹謗中傷問題に悩んだ際には、速やかに弁護に相談することをおすすめします。
誹謗中傷やネット上にある情報の削除実績が豊富な弁護士に依頼をすれば、すぐに手続きを行ってくれます。
被害の拡大を最小限に抑えるためにも、素早い行動が大切です。
AI技術を活用して人物や声を合成し、本人そっくりな偽の映像を作成することをディープフェイクと言います。
誤情報の拡散や誹謗中傷にあたる内容もあるため、個人や企業の信頼が損なわれる可能性があります。
被害に遭った際には証拠を残し、早い段階で弁護士に相談すると素早い対処が可能です。
動画を作成した人物を特定できれば罰則を与える事も可能なので、ディープフェイクで悩んでいるのなら速やかに対処していきましょう。


















