この数年で、SNS関連のトラブルが頻繁に起こっています。
トラブルの内容は様々ですが、その中で最も多くなっているのが誹謗中傷です。
誹謗中傷は掲示板やSNSで個人の悪口を書き込んだり、広めたりすることであり、大変深刻な状況となっています。
警察でもよくある相談のひとつに誹謗中傷に関することを挙げていて、中には自分の名前、住所、写真などの個人情報が掲載されるケースがあるとしています。
この記事では、誹謗中傷が起こる理由、なくならない理由に加えて、自身が被害者や加害者にならないために気を付けたいことを解説します。
誹謗中傷とは
誹謗中傷は、悪口や根拠のない嘘や噂などで他人を傷つける行為です。
SNSや掲示板などで簡単にコミュニケーションが取りやすくなった半面、特定の個人などに関する投稿を行ったことで傷ついたり傷つけてしまったりすることがあります。
匿名性が高いため、気軽に書き込むことができることで相手への配慮を忘れて情報を発信してしまうことがあります。
このような場合、書き込んだ内容や拡散した投稿によって相手から訴えられることもあるので気を付けましょう。
正しくSNSを活用すれば気軽に投稿した内容に共感してくれたり、コミュニケーションの輪も広がったりします。
誹謗中傷はなぜ起こってしまうのか
誹謗中傷はなぜ起こってしまうのでしょうか?
起こりやすい要因は以下のとおりです。
プライバシー保護による匿名性
インターネットの世界は、匿名性が保障されています。
匿名性は、発信者の身元がわからないシステムであり、これによって個人情報が流出しにくいメリットが存在するのです。
Facebookなどは本名での登録ができますが、その他のSNSでは匿名での書き込みが当たり前になっています。
匿名が当たり前のSNSでは、発信者を特定することが困難となるため、書き込んでいる方は身元がバレにくいという部分を悪用して誹謗中傷をするのです。
プライバシー保護による匿名性は、何を言っても許されると勘違いされた結果、誹謗中傷が行われてしまう状態です。
正義感の押し付け
SNSには基本的に自由に発言できる環境が整っています。
中には、正義感の押し付けのような過激な発言を書く人も存在しています。
このような人の多くは「相手が許せなかった」「がっかりした」「自分は正しいことを言っているのに何が悪い?」など、相手が間違っていることを指摘しただけと考えてしまうのです。
また、このような書き込みに対して「あいつは悪いことをしているから何を言ってもいい」「迷惑かけていることを徹底的に罰するべき」と行き過ぎた考えや正義感から、相手を攻撃してしまいます。
コロナ禍の最中は、行き過ぎた正義感によってマスクをしていない人をネットで晒す「マスク警察」、自粛を相手に求めて応じない場合に行政や警察に通報する「自粛警察」なども現れました。
他にも、コロナ罹患したことを隠して高速バスに乗車した女性に向けて、インターネット上で実名とされる名前、写真、SNSアカウントなどが晒されたケースもあります。
正義感の押し付けでは、相手の落ち度を過剰に指摘して「叩かれるのは当たり前」という正義感を振りかざすことで起こるのです。
集団心理
今やSNSやネットなどを使っていない人がいないほどの利用者数となっています。
様々な考えやタイプの人が利用しているため、誹謗中傷を書き込んだ内容から「自分も誹謗中傷しても問題ない」「みんながしているから許される」と考えてしまう人がいます。
このような集団心理が働くことで、誰かに便乗して誹謗中傷を何も感じないという事態になってしまうのです。
特にネットの世界では、他人をおとしめることに楽しさを感じるタイプもいます。
誹謗中傷を防ぐにはどんな方法が必要?
誹謗中傷は行っている本人が気付いていないことも多くあり、自分の持つ常識、優しさ、モラルが正しいと思い込むことで、反対の意見や価値観の相手に攻撃的になってしまうのです。
このような場合、自身が誹謗中傷していると気が付かずにインターネットを使い続けているため、これらを使い始める前に正しく理解することが求められます。
このような現状を改善させるためには、学生時代に「SNS教育」が必要であるという声も挙げられています。
実際に小学生の間でもSNSに関係するトラブルが起こっていて、深刻な問題になっていることが明らかになっています。
2016年~2022年度に文部科学省で行われた「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、2016年度にパソコンや携帯電話を使ったいじめが10,779件ありました。
しかし、2020年度には18,870件と短期間で約8,000件も増えたことが明らかになっています。
そこで、誹謗中傷を防ぐにはどんな方法が必要なのかをみていきましょう。
参考:「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm
小学校低学年から教育を始める
SNSなどのインターネットを使ったコンテンツなどは、日常的に触れやすい存在になっています。
そのため、できるだけ早めにインターネット関連の教育を始める必要があるでしょう。
文部科学省では、情報モラル教育として小・中・高校の児童や生徒を対象にして情報モラルの定着を進めています。
人権や知的財産などの権利を尊重し、情報社会では自身の行動に責任を持って行うこと、正しい情報機器の使用、健康へのかかわりを理解すること、正しい情報と安全に利用できることを中心に取り組んでいます。
家庭でも話し合いが必要
インターネットや携帯電話の使い方について、各家庭でも子どもと話し合いが必要です。
教育現場での指導に加えて、各家庭で使い方のルールを徹底することで、より誹謗中傷のリスクが軽減できます。
家庭では年齢に合わせたフィルタリング機能も有効です。
この機能を設定することで、子どもの使い方において制限がかけられます。
各キャリアでは無料のフィルタリングサービスが提供されていて、機能の使用制限、コンテンツ購入やダウンロード、成人向けサイトへのアクセスなどが制限できます。
他にも使用時間が守られない場合は親のスマホから子どものスマホをロックしたり、居場所の確認ができたり、利用時間の制限ができたりするものもあります。
これらを上手に組み合わせて使うことで、ルールを守りながら楽しく利用できるようになるでしょう。
大人もSNS教育が必要
実は大人もSNS教育が必要です。
すでに携帯を使い出した時点で大人になっていた場合、正しいSNSの使い方を知らないことで誹謗中傷などを行っている人が多いからです。
また、既に出来上がってしまった個人の常識によって相手を攻撃してしまうこともあるため、大人になってもネットリテラシーを学ぶ機会が必要でしょう。
企業自体が講習会として開催するケースもありますが、勉強会やセミナーへの参加もおすすめです。
正しく理解して使うことで、より誹謗中傷を避けることができるでしょう。
SNSは気軽に誰かとつながれるツールですが、一歩間違えると言葉による直接的な誹謗中傷やリベンジポルノなどの深刻な問題に発展する可能性もあります。
これらの誹謗中傷はデジタルタトゥーとして残ってしまうため、何十年経過しても誹謗中傷に悩まされるケースもあるでしょう。
このような誹謗中傷をしない・させないためには、小学生のうちからSNSの利用などについて学び、正しく使うという基本を意識させることが大切です。
これは大人でも同じであり、きちんとしたネットリテラシーを身に付けて、自分の常識だけが正しいと思わないようにしなければなりません。
この機会にSNSの正しい使い方について知るようにしてみましょう。



















