インターネットやSNSが大きく普及したことで、様々な情報が入手しやすくなり便利な世の中になりました。

一方で、風評被害や炎上など、企業にとってはマイナスな要因となるリスクが増えています。

風評被害を放置すれば、経済的な影響を受けるため速やかな対応が求められます。

そこで今回は、風評被害とはどういったことなのか概要を解説すると共に、誹謗中傷との違いや風評被害によるリスク、防ぐ方法などを解説していきます。

風評被害を受けた時の対処法についても解説していくので、リスクを最小限に抑えるためにも参考にしてください。

 

 

風評被害とは?

根拠のない噂や不確かな情報、憶測などによって社会的、経済的な損失を受ける被害を風評被害と言います。

インターネットやSNSが広がりを見せる現代では、情報が拡散するスピードが格段に上がっています。

事実確認がされない不確かな情報でも一気に広まってしまうため、企業が風評被害に遭うリスクが高まっているのです。

 

風評被害の種類

風評被害はあらゆる原因によって被害を受ける可能性があります。

代表的な要因をご紹介していきましょう。

要因①マスメディア

新聞やテレビ、雑誌などのマスメディアは影響力が高いです。

しかし、間違った情報によっては風評被害が引き起こされる可能性があります。

事実とは異なる情報を記事にしたことで、企業に対する世間のイメージは悪くなってしまいます。

要因②:SNS

近年、SNSは大きく普及しています。

誰でも情報を発信できる便利なサービスですが、虚偽の内容も多く出回っているので注意が必要です。

拡散力が高いので例え誤情報だったとしても、一瞬で広まってしまうでしょう。

要因③:事件や事故

事件や事故が風評被害につながる可能性もあります。

事例としては東日本大震災による原子力発電事故です。

事故が起こった周辺の地域の食品や農産物を避けるといった被害が世界中で巻き起こりました。

 

誹謗中傷との違い

誹謗中傷と風評被害は似たようなイメージを持っている方もいるはずです。

しかし、実際にはニュアンスが異なります。

誹謗中傷は、悪意のある情報や根拠のない悪口によって、個人や企業を傷付ける行為です。

対して風評被害は前述したように不確かな情報が拡散し社会的・経済的な損失を受けることを言います。

そのため、風評被害は必ずしも悪意から生じるものではありません。

しかし、悪意のある悪口の内容がデマであれば、風評被害と誹謗中傷が同時に起こっている状態となります。

 

 

風評被害によるリスク

風評被害が企業に対してどういった悪影響を及ぼすのか見ていきましょう。

 

売上の減少

風評被害は売上に打撃を与える要因です。

根拠のない噂が広まると、消費者は企業に対して警戒心を抱きます。

例えば、口コミによって「このメーカーの商品を買ってもすぐに壊れる」といった事実ではない噂が広まれば、同じような思いをする可能性を考えて「買わない」「選ばない」という選択肢を持つ顧客が多くなってしまいます。

新規顧客の獲得が難しくなるだけではなく、既存顧客が離れる可能性も考えられます。

 

企業イメージの悪化

良いサービスや商品を提供していても、風評被害によって企業に対するイメージは大きく損なわれてしまいます。

商品の欠陥、ハラスメント行為など、例え誤情報であっても、失われたイメージを取り戻すのは簡単ではありません。

ネガティブなイメージを払拭するには多くの時間やコストがかかるので、業績が悪化する懸念もあります。

 

人材確保が難しくなる

風評被害によって企業に悪いイメージがつけば、求職者は応募を避けてしまいます。

先行きが不安、将来性が心配など、ネガティブなイメージを持つ企業に就職や転職をしたいと考える人は少ないはずです。

そのため、人材を募集しても応募者が集まらない可能性があります。

加えて、既存の社員も不安を抱えるはずです。

将来性に不安があれば、長く安心して働き続けることができないため、離職者を増加させるリスクもあります。

人材流出させないためにも、予防策や素早い対処が不可欠です。

 

取引の停止

風評被害によって会社の評判が悪くなれば、取引の停止に発展する可能性もあります。

マイナスなイメージを持つ企業との取引を続けていることで、顧客から批判される可能性があるからです。

自分の会社にまで悪影響を及ぼすリスクを負わないための対策となるので、風評被害の原因となった問題に素早く対処しなければ取引先との関係性も悪くなってしまいます。

 

 

風評被害を防ぐ方法

風評被害を未然に防ぐための方法を解説していきましょう。

 

SNS教育

風評被害が発生する場所としてSNSが考えられます。

被害の発生源が従業員である可能性を考慮して、SNSでのルール作りや教育の徹底が重要となります。

方法としてはガイドラインの作成が有効です。

自社の公式SNSアカウントだけではなく、従業員が個人で使っているSNSのガイドラインについても作成した上で教育を行うようにしましょう。

 

危機管理体制の構築

人づての噂と比較するとSNSでの発言は著しいスピードで拡散されます。

日本だけではなく世界中に広まるため、速やかな対処を行うことが大切です。

そのためにも、炎上や風評被害による危機管理体制を構築しておきましょう。

風評被害が発生した際、企業は関連部署において迅速な情報共有を行い、適切な対策を講じる必要がありますが、そのためにも判断を下す人や基準、経営陣へ報告するタイミングなど、具体的な流れを事前に決めておきます。

こうした体制を整えておけば、被害を最小限に抑えることに役立つはずです。

 

日常的なモニタリング

風評被害を早期に検知するためにも、自社に対する投稿は日常的にモニタリングすることが重要です。

些細な投稿であっても、予期しないきっかけで拡散されるケースもあります。

記事の大きさに関係なく、見逃さないようにチェックしましょう。

 

 

風評被害を受けた場合の対策

予防策を講じていても風評被害が発生する可能性はあります。

最後に、風評被害を受けた際の対策を解説していきます。

被害拡大を防ぐためにも参考にしてください。

 

情報発信者を特定する

風評被害につながる投稿をした発信者に対して、法的措置をとる可能性を考慮して、情報発信者の特定を急ぎましょう。

発信者を特定するにはスピードが重要です。

専門的な手続きも必要となるので、早い段階で弁護士に相談をして対処してもらいましょう。

発信者情報の開示を請求し、個人情報を入手できたら損害賠償の請求も可能になります。

迅速に対応すれば風評被害の拡大を防ぐことにも役立ちます。

 

口コミの削除要請を行う

風評被害の要因が口コミやレビューである可能性もあります。

その場合は、口コミの削除要請を行いましょう。

方法としては、サイトの運営会社に削除を要請する他、裁判所に削除命令の仮処分を出してもらう方法です。

 

逆SEO対策を行う

オンライン上の検索結果を管理・最適化する方法です。

ネガティブな情報が検索エンジンの上位に表示されないようにするための施策で、風評被害による機会損失を防ぐ役割があります。

企業が所有しているWebサイトがあればSEO対策を施す他、新しいコンテンツを追加することで、検索結果で上位表示を狙えるようになります。

上位に表示されるようになれば、ネガティブなWebサイトの順位を低下することができます。

 

サジェスト対策を行う

検索エンジンにキーワードを入力すると、関連するワードやフレーズを提案してくれるのがサジェストです。

風評被害に遭った場合は、会社名を検索すると「やばい」といったネガティブなワードが候補として出てくるため、サジェスト対策をしてネガティブワードの非表示を狙います。

ネガティブなワードがなくなれば、マイナスなイメージの抑制を図れるはずです。

 

 

不確かな情報やデマがネットやSNSを通じて広がると、企業イメージを壊す風評被害に発展します。

売上の低下や企業イメージの悪化、人材確保が難しくなるといったリスクがあるので注意が必要です。

風評被害の予防策を実行すると共に、万が一のことを考えて対策方法をあらかじめ把握しておきましょう。