スマートフォンの普及によってパソコンだけではなくスマホを使ったネットへのアクセスが増えています。
そんな中で重要視されているのがレスポンシブデザインです。
どういったデザインなのか詳しく知らない方もいるはずです。
しかし、理解していた方が検索エンジンの評価で有利になる可能性があります。
そこで今回は、レスポンシブデザインについて解説するとともに、SEO効果やレスポンシブデザインの作り方などについてご紹介していきます。
作る際の注意点も解説していくので、レスポンシブデザインについての知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

レスポンシブデザインとは

パソコンやタブレット、スマートフォンなど、デバイスの画面サイズに合わせてWebサイトの表示を最適化する手法をレスポンシブデザインと言います。
レスポンシブは英語の「responsive」が由来となっており、「反応が良い」「適応する」と略され、利用環境に応じて適切に反応して最適なレイアウトを提供するといった意味があります。
例えば、パソコンにWebサイトが表示された場合、ナビゲーションの部分は画面上で横に広がって表示されます。
しかし、同じサイトをスマートフォンで表示すると、ナビゲーションの部分は画面上に収まりきらなくなるため、サイズに合わせて自動でハンバーガーメニューに切り替わるようになります。
この仕組みがレスポンシブデザインです。
切り替えを自動的に行えるよう構築することで、1つのサイトを用意するだけで様々な画面に対応できるサイトを完成させられます。

レスポンシブデザインのSEO効果

レスポンシブデザインはSEOに対してどういった影響があるのでしょうか。

スマホユーザーの増加

一昔前までは、Webサイトを利用するとなればパソコンを活用する人がほとんどでした。
しかし、スマートフォンの普及によって現在ではスマートフォンを活用してネットを利用する人々が大きく増えているのです。
2024年に実施されたNTTドコモ モバイル社会研究所による調査では、日本国内における携帯電話所有者のうち、スマートフォンを所有している人の比率が97%という結果が出ています。
調査が始まった2010年ではわずか4.4%という結果だったため、多くの人々がスマートフォンを利用していることが分かります。
スマホを所有しているとなれば、検索をする際にもスマートフォンを活用する人が多いと予想できるため、ユーザーのためにもWebサイトはモバイル向けの対応を進めるべきであると考えられます。

Googleが推奨しているって本当?

レスポンシブデザインは、SEOの観点でも重要だと言えます。
その理由が「モバイルファーストインデックス」です。
これまで、Googleはパソコン用のGooglebotがクロールしたパソコン向けページをランキング評価に使用していました。
しかし、2018年に考えを改め、モバイルサイトを評価に使用するよう変更したのです。
検索エンジンのクローラーがネット上にあるサイトを巡回してページ内容をデータベースに整理し、保管しておくことをクローラーと言います。
この作業によって、ユーザーが検索した際に求めている最適なページが表示されるようになっています。
モバイルファーストインデックスでは、インデックスをする基準をモバイルファーストにし、モバイルサイトの内容をもとに評価する仕組みです。
そのため、パソコン版では丁寧にサイトが作られていたとしても、モバイル版で見にくい場所や使いにくい箇所があれば評価に悪影響を及ぼしてしまいます。
Googleから評価を得られれば、検索順位に大きな影響を与えるため、ユーザーにとって有益なモバイルサイトを作成しないと検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。
レスポンシブデザインを導入すれば、パソコンとモバイルで大差のないデザインや使い心地を提供できるため、ユーザーがどのデバイスを利用してアクセスをしても見やすく使いやすいページとなります。
そのため、離脱の低下や滞在時間の増加が期待できます。
こうした行動は検索エンジンの評価を間接的に向上させる要因となるため、レスポンシブデザインはSEO対策として有効であると考えられます。

レスポンシブデザインの作り方

ここからは、実際にレスポンシブデザインを作る方法をご紹介していきます。

導入する際のステップ

レスポンシブデザインを導入する場合のステップをご紹介していきます。

①導入の判断
自社のWebサイトに、レスポンシブデザインが本当に適しているのかを判断し、導入を検討します。
訪れるユーザーのデバイスタイプ、サイトのコンテンツの性質によって導入の可否は決まるので、よく考えてから導入を決めてください。

②デザインと制作
レスポンシブデザインを導入することになったら、適切なデザインを考え実際に制作していきます。
異なるデバイスでも一貫したユーザー体験の提供が大切です。

③テストと公開
デザインの制作が終わったら各種デバイスでの表示や動作を確認していきます。
特に問題がないのであれば公開し、問題があれば修正を行ってください。
公開後も、定期的なメンテナンスが欠かせません。

レスポンシブデザインの種類

レスポンシブデザインには種類があります。
ここでは、代表的なものを3つご紹介していきましょう。

・レスポンシブレイアウト
Webサイト上の配置や表示の有無が、デバイスの画面サイズによって自動的に調整される仕組みをレスポンシブレイアウトと言います。
端末ごとの画面幅の数値でCSSを切り替えるレイアウトとなっており、例えば幅768px以下であればタブレット向けのデザイン、幅320px以下であればスマートフォン用のデザインに自動的に切り替わります。
1つのCSSで複数のデバイスに対応できるため、管理やメンテナンスの工数を抑えられる点がメリットです。
ただし、CSSのデザイン設定が複雑化しており、それぞれのデバイスによってレイアウトを変えると、画面表示速度が遅くなるケースがあるので注意してください。

・リキッドレイアウト
端末の画面幅に応じてサイト全体の画面表示幅が拡大・縮小していく仕組みがリキッドレイアウトです。
幅や高さは固定値ではなく割合を使って設定していくので、コンテンツエリアの幅を100%と指定すれば、画面幅が狭くても広くてもどのデバイスでも均一なデザインが維持され、画面いっぱいにデザインが表示される特徴があります。
画面サイズが変わっても見ている情報が駆らないため、スマホ画面でもパソコンレイアウトに近い状態で表示されます。
ただし、要素が極端に広くなるケースや広がり過ぎてしまうケースがあるため、視認性や操作性を意識したデザインを作る必要があります。

・フレキシブルレイアウト
画面サイズやデバイスの幅に応じてWebサイト内の要素が動的に変化するレイアウトが、フレキシブルレイアウトです。
各要素の表示単位を、割合を使って設定するのはリキッドレイアウトと一緒ですが、フレキシブルレイアウトでは画面の最大幅と最小幅を指定できる点が異なる部分です。
そのため、特定の画面幅を基準として設定すれば、その幅を越えたデバイスを使用する際にデザインやレイアウトが調整される仕組みです。
リキッドレイアウトの発展版といえる種類です。

導入方法

次に、レスポンシブデザインの具体的な導入方法をご紹介していきます。
実装するためには2つの作業が必要となるので参考にしてみてください。

【meta viewportタグの記述】
まずは、HTMLの<head>タグにviewportと呼ばれているmetaタグを記述します。
記述例は以下のとおりです。

「<meta name=”viewport” content=”width=device-width, initial-scale=1.0″>」

上記のように記述すれば、端末に合わせて見やすい画面表示ができるようになります。
meta name=”viewport”は、画面幅に合わせて表示する大きさを調整するコードで、content=width=device-widthは、ユーザーの端末に合わせた横幅を意味します。
initial-scale=1.0″は倍率の指定です。

【CSSファイルにメディアクエリの記述】
メディアクエリを使えばユーザーの端末に応じたページサイズに切り替えることができます。
それぞれの端末に合わせて、以下のように実装してみましょう。

・パソコン:@media screen and (min-width: 481px) { }
・スマートフォン:@media screen and (max-width: 480px) { }
・タブレット:@media screen and (max-width: 767px)  { }
※{ }内には通常のCSSを記述

CMSの活用

レスポンシブデザインの導入が初めての場合やリニューアルする際にはレスポンシブデザイン対応のCMSを活用するのもおすすめです。
専門知識を持っていなくても直感的にデザインできるものが多いため、難しい作業を進める必要なくWebサイトの構築が可能です。
制作に不安があれば活用を検討してみましょう。
CMSの種類は以下のとおりです。

・WordPress
・Jimdo
・Movable Type
・WIX
・EC-CUBE

特徴や使いやすさを比較し、自社に合ったものを選びましょう。

レスポンシブデザインを作る際の注意点

ここからは、レスポンシブデザインを作る際に注意すべき点をご紹介していきます。

モバイルフレンドリーなデザインにする

スマートフォンやタブレットなど、モバイル端末でWebサイトを閲覧する際に見やすく使いやすい状態になっていることをモバイルフレンドリーと言います。
レスポンシブデザインを実装する際には、モバイルフレンドリーなデザインを意識する必要があるため、以下のような点に注意してください。

・操作がしやすい
・読み込み時間が短い
・読みやすい文字サイズ、読みやすいフォント
・適切なサイズで画像が表示される
・ナビゲーションが分かりやすい
・直感的な操作が可能

上記を意識しながらデザインを考えることで、満足度の高いWebサイトの制作が可能です。

横向きのレイアウトについても考える

実装する際には、横向きのレイアウトにも注意してください。
スマートフォンやタブレットでは、縦向きだけではなく横向きで使用するケースもあります。
そのため、デバイスを横に向けた時でも適切に表示されるようデザインを考えることが重要です。
横向きのレイアウトにも対応すれば、ユーザーが自由な姿勢でデバイスを使えるので快適な環境を提供できます。
満足度にも影響を与えるため、レスポンシブデザインを実装する際には横向きのレイアウトにも配慮して制作をしていきましょう。

ブレイクポイントに注意

画面サイズの変化に合わせて表示を切り替えるブレイクポイントにも注意してください。
レスポンシブデザインでは、ブレイクポイントが必ず存在します。
レイアウトの崩れや使いにくさを感じる特徴があるため、問題を回避するためにも制作時には違和感を減らせるよう工夫が必要になります。
完璧な状態にするのは難しいですが、快適に利用できるようテストを重ねて使いやすく見やすいサイトを作り上げることが大切です。

テキストの量に配慮する

スマートフォン用の画面は、パソコンと比較すると小さく、画像や文字も小さく表示されます。
テキストの量が多いと読みにくさを感じてしまうため、読みやすいデザインを目指す必要があります。
例えば、問い合わせフォームを別ページに飛ぶよう設計する、ホームページで常駐しているコンテンツをスマートフォン用では非表示にするなどです。
必要最低限の情報のみを提供し、シンプルなデザインにすることで、読みやすさを与えられます。

動画や画像の最適化

レスポンシブデザイン制作時には、動画や画像の最適化が欠かせません。
モバイル端末でネットを利用すると通信速度が遅いケースもあるため、大きな画像を読み込ませると思うように画像が表示されずにストレスが溜まる要因となります。
そのため、レスポンシブデザインを実現する際には画像ファイルや動画ファイルを小さくする必要があります。
対策としては、圧縮ツールの活用です。
データ容量が減るので読み込み速度対策としておすすめです。
また、動画や画像の読み込みを遅延させるLazy Load(遅延読み込み)の技術を活用すれば、初回ページの読み込みを軽くできるので導入を検討してみましょう。

ユーザー体験が最優先

美しいデザインのWebサイトでも、使いにくければユーザーの離脱につながります。
スマホやタブレットとなれば画面サイズが限られるので、使いやすさを意識することが何よりも大切です。
ボタンやリンクが小さ過ぎる、間隔が狭すぎればタップがしにくい状態となるため、誤操作の要因となります。
そのため、画面サイズに合った使いやすいレイアウトにすることが重要です。
重要なコンテンツは最優先に表示し、ユーザーにとって必要な情報がすぐにアクセスできるよう工夫することでWebサイトを快適に利用できるようになります。

今回は、SEO対策としても有効なレスポンシブデザインについて解説してきました。
パソコンでもスマートフォンでも、画面表示を自動的に切り替えて見やすく使いやすいように自動的に切り替えてくれる仕組みを構築することをレスポンシブデザインと言います。
ユーザービリティの向上につながり、離脱の防止や使いやすさアップが期待できます。
パソコン用、モバイル用のWebサイトを複数用意する必要もないので、デザインの制作に大きな負担もありません。
しかし、導入する際には注意点もあるので、今回ご紹介した記事を参考にして導入を検討してみてください。