グローバルな市場を狙う企業にとって、多言語SEOは欠かせない戦略の1つです。
しかし、複数言語で高品質なコンテンツを制作・管理するのは時間とコストがかかり、担当者の大きな負担となりがちです。
そこで注目されているのが、AIを活用した要約・翻訳の効率化です。
この記事では、AIを活用して多言語SEOを効率的に進めるための要約・翻訳方法をわかりやすく紹介します。
作業の効率化だけでなく、品質を保ちながら海外向けコンテンツを展開したい方、海外向けの集客力を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。

多言語SEOとは?

そもそも多言語SEOとは、1つのWebサイトに対して複数の言語ページを作成し、それぞれの言語ページを検索エンジンに最適化させる対策を指します。
例えば日本語で作成したWebサイトで英語・中国語・スペイン語などに多言語化し、それぞれのページのURL構造やメタタグ、コンテンツ内容を最適化させます。
ただページ内容を翻訳するだけでなく、SEOの内部対策・外部対策も行うのが多言語SEOです。

多言語SEOによるメリット

多言語SEOを行うことで、様々なメリットを得られるようになります。

海外市場への進出・拡大

多言語SEOによって海外市場の進出・拡大を狙うことが可能です。
現地の検索エンジンから現地の言葉で検索した時、日本語のみのサイトは検索結果に表示されないケースも少なくありません。
しかし、多言語SEOで現地の言葉にも対応していると、海外の検索エンジンで上位表示を獲得しやすくなり、現地のユーザーに対してリーチを拡大していけます。
また、現地の言葉で情報を発信することで、現地のユーザーからの信頼も得やすくなるでしょう。

自社やブランドの認知度向上

多言語SEOは自社やブランドの認知度を向上させるのにも役立ちます。
特に英語や中国語、スペイン語など使用人口の多い言語のページを作成し、SEO対策を行うと、世界的に認知度を向上させていくことも可能です。
また、英語コンテンツは世界各国のメディア・専門誌などで扱われることも多く、そこから自社やブランドの認知度がさらに向上することも期待できます。

競合他社との差別化

多言語SEOを取り入れることで、競合との差別化につながり、市場の優位性を高められる場合もあります。
現在、多くの企業で自社サイトの翻訳を行っていますが、中には翻訳までに留まっており、多言語SEOまで対策ができていない企業もあります。
そのため、自社サイトで多言語SEOを行えば、海外の検索エンジンで上位表示を狙うことができ、国内の競合他社と差をつけやすくなります。

多言語SEOでサイト設計する際のポイント

実際に多言語SEOを取り入れてサイト設計をする場合、どのようにすれば良いのでしょうか?
ここで、設計する際のポイントを解説します。

各言語でのタグ設定

多言語SEOでは各言語に適したタグを設定していきます。
「hreflang」は、このコンテンツがどの国・地域のユーザー向けに作られたものなのかGoogleに伝えるためのタグです。
このタグを設定することで、Googleから重複するコンテンツと判断されなくなります。
hreflangは各言語でページを制作したら、それぞれのページにhreflangを設定します。
記述方法はHeadタグ内にリンクで記載するか、HTTPヘッダーやXMLサイトマップに記載する方法があります。
この中で手軽に行えるのは、Headタグ内にリンクで記載する方法です。
Headタグ内に追加するリンク要素の構文は以下のとおりです。

<link rel=”alternate” hreflang=”lang_code” href=”url_of_page” />

この”lang_code”に、言語のコード(日本はja、英語はen、中国語(簡体字)はzn-Hans)を置き換えます。
また、”url_of_page”には指定された言語・地域に対応するページの完全修飾URLを記載しましょう。

各国・地域別のURL

URLも各国・地域別に設定するのがおすすめです。
日本だとhttp://~~~.jpの「.jp」が国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)として含まれています。
多言語SEOではccTLDから設定でき、ccTLDを管理できればhreflangのタグ設定は不要です。
ただし、ccTLDは取得難易度が高かったり、取得するためにコストがかかったりする場合もあります。
ccTLDの取得が難しい場合やコストをあまりかけられない場合は、地域性を持たないジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)を活用しましょう。
gTLDには「.com(商用)」や「.edu(教育用)」などがあり、これにhreflangのタグ設定を行うことで最適化が可能です。

各言語でのXMLサイトマップ作成

多言語SEOではXMLサイトマップも言語ごとに作成した方が良いとされています。
XMLサイトマップはWebサイト内にあるすべてのページをリスト化したファイルであり、検索エンジンがサイト内を効率良くクロールする際の指標として用いられます。
例えば、日本語ページには「sitemap_ja.xml」、英語ページには「sitemap_en.xml」を用いてサイトマップを作成します。
各言語でXMLサイトマップを作成する際は、その言語のページだけを含めるようにしましょう。

各国・言語別のキーワード設定

多言語SEOでコンテンツを制作する際には、各国・言語別にキーワード設定を行う必要があります。
キーワードの洗い出しをする際は、検索ボリュームだけでなく、関連で検索されている言葉やユーザーがそのキーワードを検索する目的・求めている情報を把握することも重要です。
ただし、単純に日本語のキーワードを翻訳しただけでは、現地だと違う意味に捉えられてしまうことがあるので注意が必要です。

AI要約&翻訳で多言語SEOを効率化する方法

多言語SEOでは日本語のページを各言語に対応させる必要があります。
この時、AIを活用して要約・翻訳を行うことも可能です。
ここで、具体的なAI要約・翻訳によって多言語SEOを効率化する方法を紹介します。

生成AIを使って効率化できること

そもそも多言語SEOの中でAIを活用すると、どの工程を効率化させられるのでしょうか?
まずはページの初稿作成が挙げられます。
生成AIは対象の言語だけでなく、キーワードやトーンなどを指定でき、ページの下書きを行うことができます。
例えば日本語で作成したページを英語・スペイン語・中国語など、各言語用の下書きを短時間で準備することが可能です。
また、機械翻訳だと直訳になってしまい、翻訳によっておかしな文章になることも少なくありませんでしたが、生成AIは前後の文脈を踏まえた上で、自然な表現に言い換えられることから、翻訳精度の向上にも貢献してくれます。

AI要約・翻訳の精度を上げるテクニック

AI要約・翻訳の精度をより高めるためには、原文やプロンプトの工夫も必要です。
例えば、原文の1文の中にたくさんの修飾節や情報が含まれていると、要約・翻訳が複雑になってしまい、誤訳を招く恐れがあります。
そのため、要約・翻訳する前に修飾節や情報を分解することが大切です。
例えば、「当社の製品は品質の良さとリーズナブルな価格設定により、長年多くのお客さまからご利用いただいており、業界内での注目度も高まっています。」という文章の場合、「当社の製品は高品質とリーズナブルな価格設定が魅力です。長年多くのお客さまから利用されています。業界内での注目度も高いです。」と分解できます。
また、日本語から直接翻訳することもできますが、データがまだ少ない言語(アラビア語やベトナム語、タイ語など)は、日本語から直接翻訳しようとすると誤訳を起こしやすいです。
そのため、日本語からまずは英語に翻訳し、英語からターゲットの言語に翻訳すると、安定した要約・翻訳精度を保ちやすくなります。

AI要約&翻訳で多言語SEOを行う場合の注意点

AI要約&翻訳は多言語SEOの効率化を図る上で最適ですが、いくつか注意しなくてはいけないポイントもあります。

正しい意味・ニュアンスが伝わらない可能性がある

AI要約・翻訳の精度は年々向上しているものの、まだ完璧なレベルとは言えません。
例えば慣用句や比喩表現などは直訳してしまう傾向にあり、本来の意味と異なる文章になってしまう可能性が高いです。
場合によっては前後の文脈から解析し、正しい意味に翻訳されることもありますが、必ずしも翻訳に成功するわけではありません。
その結果、間違った言葉で翻訳されてしまい、正しい意味・ニュアンスが伝わらないまま多言語ページを公開する危険性があります。
現地の人にとっては意味を読み取れないことから、サイトの信頼性も低下してしまうでしょう。

施設・サービス名が翻訳できていない場合がある

AI要約・翻訳だと、正しい施設・サービス名で翻訳できない場合もあります。
施設名やサービス名をAI翻訳に任せてしまうと、名前に込められた意味が十分に伝わらなかったり、現地の言葉では発音・表記がしづらくなったりすることもあるでしょう。
また、同じ名称なのに表記が統一されないケースもあります。
そのため、AI要約・翻訳を行う際には施設・サービス名が正しく翻訳されているか、必ず確認するようにしてください。

国や地域ごとの表記にローカライズされていない場合がある

国や地域ごとに数字・単位・日付などの表記方法が異なる場合があります。
例えば日本だとYYYY(年)/MM(月)/DD(日)で表記しますが、この表記は中国や韓国、台湾、香港など、東アジアで使われる表記です。
一方、アメリカではMM/DD/YYYYで月→日→年の順番に表記し、イギリスを含むヨーロッパやアジア諸国、ブラジル、メキシコなどではDD/MM/YYYYで日→月→年の順番に表記します。
このように、日付の表記だけで違いがあり、AIだとローカライズが十分に行われないケースもあるため、注意が必要です。

 

今回は、多言語SEOのメリットや設定方法、AI要約&翻訳で効率的に進める方法、注意点について解説してきました。
AI要約・翻訳は多言語SEOに活用することで業務効率化につながりますが、完璧なレベルで要約・翻訳されるわけではありません。
現地のユーザーからの信頼を落とさないためにも、AIツールを活用したら最後は必ず人の目で確認することが大切です。
多言語SEOの品質を高めて、海外市場の開拓とグローバル展開を目指しましょう。