インターネットが普及したことで便利になった一方で、風評被害という新たな問題に直面している企業も少なくありません。
根拠のない悪評、誹謗中傷などが企業に影響を与えているケースもあり、これによる採用活動や売上などに大きな影響を及ぼしているケースもあるでしょう。
この記事では、企業ブランドを守るために欠かせない風評被害対策の最新トレンドについて解説します。
新たに風評被害対策を検討している方はぜひ参考にしてください。

風評被害を受けている企業は年々増加している

誰でも気軽に匿名で発信できるインターネットが普及したことで、誹謗中傷や風評被害は年々増加傾向となっています。
法務省の人権擁護機関による発表では、人権侵犯事件調査処理規程に基づいて新規救済手続を開始した人権侵犯事件の数は8,947件、処理した人権侵犯事件は8,983件となっています。
この中でもインターネット上での人権侵害については新規救済手続開始となった人権侵犯事件を1,707件と発表し、高水準で推移しているとしました。
主な人権侵害の内容は、名誉棄損とプライバシー侵害であり、根拠のない噂や悪い評判によって社会的な地位を下げたり、本人の許可を得ないで私生活に関する情報を掲載したりすることが該当します。
これらは深刻な問題ですが、実際の被害件数はこれ以上と予測されており、企業や個人にとって無視できない問題であることは変わりません。

風評被害が企業に与える影響とは

風評被害は、企業にどのような影響を与えるのでしょうか?
ここでは、風評被害が企業に与える影響について解説します。

売上低下

消費者は、商品やサービス利用前にレビューや口コミを参考にしてから購入を検討することが多いです。
そのため、悪い口コミや評判が上位に表示されたり増えてしまったりすると、新規顧客が獲得しにくくなります。
どんなに素晴らしい商品やサービスを提供していても、口コミで判断されてしまうため「騙されてもいいから一度使って欲しい」という企業の想いがあっても、そこにユーザーが到達することが無くなってしまうのです。
その結果、全体的な売上低下を招く可能性が高いでしょう。

ブランドイメージの低下

根拠のない噂や情報の拡散によってブランドイメージの低下が起こります。
ネガティブな情報を目にしたことで、ユーザーからのイメージダウンが起こるだけでなく、今後の購買や利用を控える可能性が高まります。
消費者となるユーザーの購買意欲低下や利用控えによって、企業は売上低下などの経済的な損失を受けるだけでなく、継続することで企業の存続も危うくなってしまうでしょう。

取引先からの信頼低下

風評被害を受けてしまうと、取引先からの信頼を失う可能性も出てきます。
取引先から信頼してもらえない状況が続くと、継続した取引が困難になったり、新たな商品開発が難しくなったりします。
銀行との関係が悪化してしまえば、融資の機会を失ってしまうので会社の存続が危機的な状況になる可能性も考えられるでしょう。

株価の低迷

風評被害によって、上場企業は株価の低迷というデメリットを受ける可能性もあります。
株価の低迷は、デマや噂を信じた株主が多くいることで起こる場合もありますが、このデマや噂が違う可能性が高いが信じている人が一定数いることで売上低下になる可能性があると考えた株主による判断で低迷することもあります。
株主の考え方によっては、企業を信じているものの世情を反映して考えるケースもあるため、風評被害が大きな影響を与える可能性が高いでしょう。

人材採用の難航や退職者の増加

風評被害に遭ったことで、新たな人材採用が難航したり退職者が増加したりすることもあります。
まさに風評被害という言葉の通り、内容がデマや噂であり真実ではない場合でも、その印象が世間に根付いてしまえばマイナスな印象に変わってしまいます。
その結果、新規人材採用が難しくなったり、退職者が増えてしまったりするということです。
他にも、流れた噂による問い合わせや誹謗中傷などの対応を迫られる日々に疲弊したことで退職を決断するケースもあります。
どの場合にしても、風評被害による被害を受けた影響は大きいということです。

問い合わせや嫌がらせなどの対応

ネットで炎上するような事態になった場合、ネット上だけで誹謗中傷や批判が相次ぐだけでなく、実際の問い合わせを電話やメールで行う人も出てきます。
企業でコールセンターなどを設けていた場合、嫌がらせや問い合わせの連絡が殺到するケースもあり、これによって人手不足や他のお客様からの問い合わせに対応できなくなるなど、業務全体が滞る可能性があります。
店舗が対象となった場合は、店舗スタッフに対応を迫る人も出てくるため、苦慮する事態も起こるでしょう。
Googleマップなどでは情報が書き換えられたり、口コミ荒らしのような状態になったりします。

企業ブランドを守るために必要な風評被害対策の最新トレンド

企業ブランドを守るためには、必要な風評被害対策を講じておく必要がありますが、まず予防策と事後対策について考えておきましょう。
風評被害対策の予防策として、ソーシャルメディアポリシーやガイドラインの策定、従業員に対しての教育強化、自社でモニタリングできる体制などが必要です。
事後対策では、事実関係の確認と対応方針、風評被害の原因究明や削除依頼、適切な対策、法的措置の検討などができます。
ここでは、詳しい対策などについて解説します。

ガイドラインの策定

風評被害を少しでも防ぐには、自社や従業員に対して企業内で一定のガイドラインやポリシーの策定をしましょう。
その理由は、風評被害が起こるきっかけは必ず他者からとは限らないからです。
自社や従業員がきっかけとなるSNSを発信したことで起こる可能性もあるので、事前にSNSにおいての発信ルールやポリシーの策定により、意識を高めることが重要です。
最近はSNSでマーケティングを行う企業も増えてきたため、自然とSNSにおけるリスクも高まっていますが、一定のガイドラインを設けることで炎上に対する意識も高まります。

従業員への教育強化

SNSに関するガイドラインやポリシーを策定しても、この内容が従業員間で周知されていなければ意味がありません。
ガイドラインやポリシーを策定した際には、必ず従業員に対しての教育を行ったり、定期的に勉強会を実施したりするなどして、常に意識させるようにしましょう。
これは社員に限らず、アルバイトを含めた全従業員に周知させ、リスクの大きさについても学ぶ機会を与えます。
このような教育を行うことで、個人のネットリテラシーも向上して理解を深めることができるでしょう。
意識改革を行う意味でも効果が期待できます。

インターネット上のモニタリング

風評被害対策の予防策として、インターネット上のモニタリングもおすすめです。
炎上リスクのあるSNS投稿を定期的にモニタリングすることで、可能性のある投稿をいち早く見つけて未然に拡散を防ぐ対策ができます。
目視でモニタリングを行うこともできますが、ツールを活用するのも良いでしょう。
拡散する前に火消しが出来れば風評被害を抑えられるので、モニタリングの体制を整えたり専門の対策業者に依頼したり、適した方法を検討してみましょう。

逆SEO対策

逆SEO対策とは、検索エンジンの1ページ目に表示されているネガティブな内容を意図的に押し下げてポジティブな内容の順位を上げることです。
ポジティブな内容の記事を大量に作成して公開することで、自然とネガティブな情報が下がっていく仕組みを活用したもので、記事を削除できない場合にもできる対策です。
企業として公式な情報を定期的に発信したり、SNSを上手に活用したりすることで企業のリアルな情報を知ってもらうきっかけも生まれます。
自社メディアを持っていることで、求職希望者とのミスマッチが防げるだけでなく、求めている人材の採用にも効果が期待できます。
特にSNSは検索エンジンでも上位に表示されやすい傾向があるので、ネガティブな情報を下げるためにも効果を発揮しやすいです。
他にも既存のサイトを活用すれば、上位表示の時間を短縮できます。

AIによるモニタリング

企業にとって風評被害は悪い影響しかありません。
そのため、少しでも炎上の可能性があるものを早期発見して削除することが求められています。
最新トレンドであるAIを活用したモニタリングサービスなどの対策で、24時間364日AIと有人での監視が可能となるので膨大なネット上からリスクとなる書き込みや投稿を発見できます。
AI任せではなく、人間の目でも監視しているので安心感があり、柔軟な対応も可能になるので風評被害対策としても適しています。

サジェスト対策

サジェストは、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンに文字を入力した際に、自動的に表示される検索エンジンの候補を意味します。
ここでは、検索履歴やボリュームなどからキーワードが表示される仕組みですが、検索端末や場所などで表示内容が変わってきます。
その結果、ネガティブな情報が含まれる記事やコンテンツが増えると、自然とサジェストに表示されやすくなってしまい、ネガティブな情報が常に目に触れるという悪循環になってしまいます。
サジェスト対策しないで放置すると、ブランドイメージの低下に加えて様々な影響が出てくるため、風評対策では適切なサジェスト対策が必要不可欠です。

 

企業ブランドを守るためには適切な風評被害対策が必要ですが、できるだけ起こる前の対策をしておくことで被害を防げるでしょう。
日常的に監視体制を整えることで炎上の可能性を発見できたり、いざという時の対策をマニュアル化しておくことで慌てずに対応できたりします。
風評被害を受けると、企業にとっては大きなダメージを受けてしまうので、起こる前に起こらないように準備することが大切です。
自社での対策が難しい場合は、専門の業者に依頼すると適した対策を提案してくれるだけでなく、安心して企業活動に取り組むことができます。
この機会に風評被害対策について検討してみてはいかがでしょうか。