風評被害は企業、個人、団体などに対して根拠のない噂や誇張された情報などがインターネットを通じて拡散していき、これによって社会的な信用や評価の低下、経済的な損失を受けるなどが起こることを言います。
インターネットが普及する前は、地域やコミュニティなど限定的な環境が中心でした。
しかし、現在は匿名掲示板やSNS、口コミなどが中心となっていて、公開された情報は一瞬で世界中に広がる可能性があります。
拡散された情報は真実かどうかに限らず、完全に削除することが難しく、半永久的に残ってしまうため、企業は正しく対策しなければデメリットを受ける可能性が高くなってしまうのです。
そのためには、正しい風評被害対策が必要となりますが、どんな対策をすべきか、誰に依頼すべきかわからないことも多いでしょう。
そこで、この記事では企業が行うべき風評被害対策に加えて、過去の風評被害対策の成功事例、得た効果やメリットについて解説します。

企業において風評被害対策は重要

上記でも説明したように、根拠のない噂や誤った情報から企業の信頼やイメージを守るためには、事前に被害を防ぐ対策を行ったり、根拠のない噂や誤った情報から守ったりする必要があります。
特に最近は、口コミやSNSなど誰もが書きこみやすい匿名での発信がしやすくなったため、風評被害のきっかけになりやすい状態になっているのです。
誹謗中傷や匿名での情報も拡散されやすくなったことで、全く予測していないことで風評被害を受ける可能性も高くなっています。
もし、自社が風評被害を受けてしまった場合、その内容が真実かどうかに限らず、多くの人がその情報を目にすることになり、企業の全体的なイメージダウンに繋がる可能性もあります。
この場合、企業にはブランドイメージの低下、顧客離れによる売上低下、取引先からの信頼喪失、従業員のモチベーションや信頼低下、新規採用の機会損失などの影響が出てしまうでしょう。
もし、風評被害を受けてしまった場合、そのまま放置していても収まることはなく、最悪の場合は企業活動が難しくなってしまうケースもあるので、早めの対策が求められます。

過去に起こった風評被害の実例紹介

これまでに様々な風評被害が起こっています。
ここでは過去にどのような風評被害が起こったかについて解説します。

大手回転寿司チェーン店での炎上

大手回転寿司チェーン店で実際に起こった内容です。
アルバイトの少年が残った魚の切り身を生ごみ箱に捨てた後、再度まな板に先ほどの魚の切り身をごみ箱から出してまな板に乗せました。
この動画を一部始終撮影していた少年がX(旧Twitter)に投稿したことで、アルバイト従業員の不適切な動画の投稿によって炎上する事態になりました。
この問題を重く受け取った大手回転寿司チェーン店は、アルバイト2人の退職処分とした上で、刑事と民事の両面で法的措置を取ることを公表しています。

異物混入による風評被害

食品、医薬品の製造や販売を行うA社が販売している粉ミルクに異物が混入しているという口コミがXで拡散されました。
赤ちゃんが口にするものであり、異物の種類が特殊なものだということから、一気に拡散された結果、炎上という形となりました。
子どもの安全に関係する製品であることから、事実確認がきちんと行われることなく「企業が悪い」という流れになり、批判が盛り上がって便乗するツイートが増加していったのです。

コンビニで起こった不適切な事案

バイトテロが社会問題になっているにも関わらず、コンビニでもバイトテロとなる問題が発生し、炎上する事態となりました。
アルバイト従業員の男性が勤務先の商品什器を使い、悪ふざけやいたずらをする様子がスマホで撮影され、その内容がSNSに投稿されて炎上しました。
さらに、この店員たちが投稿したのはTikTokであり、バックルームから店内の様子を映し出すモニターから店内のレジで精算している若い女性の胸部を見ていた様子も写されていました。

おでんを口から吐き出す動画拡散による風評被害

大手コンビニチェーン店に勤務するアルバイト店員がおでんの具を口に入れた後、鍋の中に吐き出す動画が拡散されて炎上しました。
この動画が拡散されたことで、勤務しているコンビニ店以外にも全国のチェーン店にも風評被害が拡大しただけでなく、「コンビニのおでんは不衛生」というイメージが定着してしまったのです。
その結果、コンビニに限らずおでんを取り扱う店舗や飲食店、具材の製造工場などにも風評被害が及ぶ結果となりました。

見識の不十分さによって起こった風評被害

ペット関連の商品を製造しているA社は、ホームセンターなどで商品を販売していました。
自社が提供している薬品には、獣医の処方箋を必要としないという手軽さで広く流通しているものがありましたが、「A社のペット関連薬品を摂取した動物が異常行動を起こす」というツイートが拡散されました。
その後、インフルエンサーや獣医などがリツイートしたことでさらに拡散していき、次第に騒動に便乗する人も加わったことで大炎上する事態となりました。

風評被害に対する効果的な対策は?

このように、風評被害はどのような出来事から起こるかわかりません。
そのため、どのようなことで風評被害が起こっても早急に騒動を鎮静化させるための対策を取る必要があるということです。
ここでは、風評被害が起こった際の主な対策法について解説します。

検索エンジンでの逆SEO対策

検索エンジンでは、特定のキーワードが検索され続けると上位になる仕組みがあります。
もちろん、炎上などが起こった場合は関連するキーワードを入れることで問題の内容が誰の目にも止まりやすい状態になってしまいます。
そのため、特定のキーワードで表示されるネガティブな内容の順位を押し下げて、目に触れる機会を減らす逆SEO対策を実施するのがおすすめです。
具体的な方法としては、公式サイトでの企業理念や事業内容、社員インタビューなど質の高いコンテンツの継続的な発信、ブログによる記事更新、SEO強化などを行い、コントロールできる情報が上位に表示されるようにします。
また、公式サイト以外のサテライトサイト、第三者のブログなどで好意的な内容の発信、レビューサイトの立ち上げなども効果が期待できます。
新商品、社会貢献活動、業務提携など企業のポジティブなニュースをプレスリリースとして配信することも効果が期待できる方法です。

口コミサイトなどの監視

食べログ、Googleマップ、各種ECサイトなどビジネスに直接関係するサイトの監視も効果が期待できます。
定期的に自社が掲載されている口コミサイトを確認し、新たな投稿がないかをチェックしていきます。
Googleビジネスプロフィールに関しては、通知設定を行って新しい口コミがわかるようにしておきましょう。
監視している際に、誹謗中傷や個人情報の掲載、事実と異なる内容の投稿などが確認された場合は規約違反になる可能性があるので、早急にサイト運営者に削除依頼を申請し、できるだけネガティブな投稿の影響を受けないようにしていきます。
ポジティブな口コミを増やしていくことで、全体的な評価の平均が上がっていくためネガティブな情報が目立ちにくくなっていきます。

SNSの監視や対応

X、Instagram、TikTokなどのSNSは情報拡散速度が速く、炎上の温床にもなりやすい環境となっています。
そのため、SNSの管理が重要になってくるのです。
自社のサービス名、商品名、役員名などは常にキーワード検索を定期的に行い、どのようなことが書かれているか、エゴサ-チを習慣的に実施します。
書かれている内容を確認して個人の感想や影響力の弱いアカウントなどは静観することもひとつの方法なので、今後の動きをチェックしながら様子を確認します。
誤解に基づいた内容や批判、クレームなどは公式アカウントから丁寧なコメントやリプライを行い、説明や謝罪などを誠実に行うことで企業の姿勢を示せるでしょう。
しかし、明らかに誇張したデマ、名誉棄損、プライバシー侵害などに該当する内容が記載されている場合はプラットフォームのルールに基づいた方法で削除依頼も検討します。

オウンドメディアでの情報発信

自社で運営するオウンドメディアなどでは、企業が伝えたい情報を自由に発信できます。
これを活用して自社の事業領域に関係する専門的な内容やノウハウを発信して、ユーザーに信頼を与えることで風評被害対策が可能です。
経営者の考え、企業文化、商品開発に関連する情報など、企業としての透明性を確保した情報の発信によってユーザーとの距離感を確認して一定数のファンも獲得できます。
また、ユーザーが抱えがちな問題や悩みに寄り添った内容の発信や疑問が解消できるコンテンツなどは、検索エンジンでの上位に表示されやすい傾向なので逆SEO効果も期待できるでしょう。

削除依頼、開示請求、損害賠償請求

風評被害を行っていても、悪質な投稿や権利を侵害するようなものが目立ってきた場合は投稿が掲載されているサイトの運営者に削除要請を行うことができます。
これは法的措置の前段階となり、ここで削除依頼に応じてもらえない場合は開示請求を求める手続きを行います。
開示請求は、投稿者の身元特定のために行われるもので、プロバイダ責任制限法に基づいて特定の相手に対して損害賠償請求や謝罪の掲載などが求められます。
ここで発信者を特定できたら、風評被害に対する財産的損害、調査費用請求、慰謝料などの損害に対して責任を問う流れです。

 

企業は、何が原因で炎上するかわからないことも多く、関係ない所から飛び火してしまう可能性もあります。
問題が起こってから対策をするのではなく、事前に問題を想定してから対策するといざという時にスムーズな解決が期待できます。
これまで多くの炎上が起こっていますが、上記の内容で対策したことによって早期の鎮火ができるだけでなく、風評被害も拡大することなく抑えられるのがポイントです。
特に専門の風評被害対策業者への依頼により、SNSなども監視も行ってもらえるので、このような対策の必要性も視野に入れて検討してみてください。