サービスや製品、企業に対して消費者が持っているイメージを、より認知して価値を高めてもらうために行うのがブランド戦略です。
ブランド戦略を行うことで、自社が考えたビジネス計画に沿ってブランドを認知してもらうことができますが、せっかく実行するなら成功したいと考えるでしょう。
また、これまでどのような企業が何で成功したのかを知ることで、より自社に合った戦略を見つけやすく、成長できるきっかけが生まれます。
そこで、この記事ではブランド戦略の成功事例を参考にして学ぶためのポイントについて解説していくので、ぜひ参考にしてください。

ブランド戦略とは

ブランド戦略とは、持続的に企業が優位性を確立するために自社ブランドの価値を計画的に構築して維持することです。
単純にロゴやスローガンなどを設定するのではなく、提供する商品の価値や社会的責任を入れ込むことで、競争優位性を確立させて事業戦略と整合し一貫性が生まれるでしょう。
特に現代はデジタル化、グローバル化ともに顧客接点が多様化しているので、より統一感のあるブランドイメージを構築する戦略が重要です。
企業が長期的な成功をしていくためにはブランド戦略が欠かせないものであると同時に、経営基盤としても実施したい内容となります。
商品、サービスなどの品質に加えて、企業の価値観なども含めたメッセージにすることで、顧客との信頼関係が構築できるだけでなく無形資産価値を高めることも可能です。
明確な差別化ができれば、価格競争に巻き込まれることもなく、安定して持続的な競争優位性も確保できます。

ブランド戦略を設計するには

ブランド戦略を設計するために知っておきたいのが、「縦」と「横」の視点です。
ここでは、これらの意味に加えて設計の基本的な部分について解説します。

ブランドの一貫性

ブランド戦略では、ブランドの一貫性が求められます。
縦に繋がった時の関係性では、企業ブランド、事業ブランド、商品ブランドといった階層構造の整合性があり、それぞれの階層で別々のストーリーが組み立てられてしまうと全体的な信頼が構築できなくなります。
ブランドの一貫性を保つには、上位ブランドの理念を下位ブランドでどのように実現するか、共通の信頼をどのように共有するか、トーン&マナーをどのように一貫させるかで階層的に構造が増えていくでしょう。

横のブランド間の関係性

横の関係性では、商品や事業ブランドの関係について整理して考える必要があります。
この分類があやふやになってしまうと、同じ社内でもブランド同士が競合関係になってしまうだけでなく、顧客からみてもどのブランドが良いのかわかりにくくなってしまうのです。
これらのブランドの関係性を設計する上では、誰に向けたブランドなのかを設計すること、価格やポジションによる違いを決めること、提供する価値について考えることが重要です。

信頼による成熟度

このように縦と横の関係によって、ブランドのバランスが変わってきます。
縦の一貫性があればブランドは信頼を得ることができ、横の一貫性があれば市場での価値や存在感を目立たせることができます。
これらをバランスよく組み合わせた時に、ブランド体系は単純な整理図からシステムとして機能していき、顧客にとっても理解して選びやすいブランドに変わっていきます。

企業の成功事例について

ブランド戦略を成功させるには、他の企業の成功事例を知ることも重要です。
ここでは、実際に成果を収めた企業の成功事例についてみていきましょう。

ユニクロ

柳井正氏が創業したユニクロは、コンセプトに「LifeWear(ライフウェア)」を掲げていて、生活を豊かにする品質や機能などを揃えたウエアを手頃な価格で提供しています。
創業初期の頃、フリースが大流行したことを覚えている方も多いでしょう。
ユニクロも、フリースの大ヒットをきっかけに大量生産や大量販売の製造小売業というモデルを確立していき、現在の衣料品業界に大きな革命を起こした存在になっています。
基本的にはベーシックなデザインが中心ですが、これに加えてエアリズムやヒートテックなどの機能性素材を取り入れたことで、着心地の快適さに加えて機能性の高さを両立させています。
年代や性別に加え、ベーシックなアイテムが中心ということで流行に左右されることなく、常に定番で着用できる衣料品というポジションに立つことができました。
製品の持つ機能性、品質という面を徹底的に追求し、さらに価格は誰もが手に取りやすくしたという点が成功したのです。

無印良品

西友のプライベートブランドとして1980年代に誕生した無印良品は、ブランドが立ち上がった当初からノーブランドであることをコンセプトとしています。
そのため、パッケージには不要な装飾などが施されておらず、実用性を中心とした商品を展開しているのです。
さらに製品は素材の選択、製造工程、パッケージまでの間で徹底的な無駄を省くことを意識した結果、シンプルなのに高機能・高品質という部分が追求されています。
流行に関係なく、常に安定してブレない価値を持った製品であるため、ミニマリストなどシンプルさを求める層から大きな支持を得ているのです。
過剰な主張を行わずに商品の本質や持っている価値を提供することで、独自のブランドイメージを築き上げることに成功している事例です。

Apple

1976年、スティーブ・ジョブズ氏を含めた数名からスタートしたAppleは、ジョブズの実家のガレージという環境で基盤の販売を始めたことで誕生しました。
「Think Different(従来の考えに捉われない考え方)」をスローガンにしていて、今までのようなテクノロジー企業ではなく、イノベーションとクリエイティビティを象徴するブランド地位を確立しています。
シンプルさや洗練されたデザイン、直感的な操作性などがブランドイメージとして定着したことに加えて、既存の枠にとらわれない発想を打ち出した製品の誕生により、ブランドイメージも強化されていきました。
その結果、iPhone、iPadなどの製品が続々と発表されていき、今では「iPhoneだから欲しい」「Apple製品だから買いたい」というファン層ができています。
ブランドの持つビジョンが明確に伝わっていることから、多くの成功を収めた事例です。

Netflix

Netflixは、2007年にDVDレンタル事業からスタートしたのがきっかけです。
ビデオオンデマンド方式からストリーミング配信にサービスを展開したことで、今までのレンタルビデオに関する概念を大きく変えました。
インターネットの普及によって徐々に会員数を増やしたNetflixは、ユーザーの視聴履歴からどこでもコンテンツを楽しめる利便性の提供によって、新しいエンターテイメント体験を提供しています。
その結果、現在は世界中で約2億人以上の有料会員がいる巨大なプラットフォームに成長し、多くの競合が参入している今も常に先を行く存在になっているのです。
顧客に対して質の高いコンテンツの提供と、求められる体験を最適化したことでエンターテイメント業界の常識を変えたことが成功となった事例です。

 

企業がブランディングを成功させるには、常に縦と横の視点から観察するだけでなく、顧客の求める価値についても理解する必要があります。
どんなに優れたサービスであっても、顧客の求める視点とズレてしまえば結果的に成功とはならないのです。
徹底的に顧客視点であることを忘れず、業界にとって新しいことをも積極的に取り入れる考え方などは新しい価値の創造に加えて信頼も得られます。
上記の成功事例も参考にしながら、戦略について考えてみましょう。