誹謗中傷とは、根拠がない悪口、噂などを拡散して、人格を否定したり社会的な評価を下げたりすることをいいます。
「誹謗」と「中傷」の2つを合わせた言葉であり、意見を批判することとは異なり、過度な行為によっては民事や刑事で責任を問われるケースも増えています。
近年、匿名で書き込めるSNSで誹謗中傷が増加傾向にあり、自身でも全く身に覚えがない状態で誹謗中傷を受けたという方もいるでしょう。
自分自身が誹謗中傷を受けていると感じた場合、相手に対して制裁を加えたいと考えるかもしれませんが、その前に誹謗中傷対策などで対応できるケースもあります。
この記事では誹謗中傷が何かを改めて解説すると共に、実施できる対応について解説します。
誹謗中傷とは何か?
誹謗中傷は、根拠のない悪口、噂、事実ではない情報などを拡散して相手に対して名誉や信用を傷つけることをいいます。
近年、インターネットの普及によって誰もが匿名で書き込みやすい状況が出来たことにより、誹謗中傷が起こる件数も増加傾向です。
匿名性が高いため、軽い気持ちで個人名、組織や団体名などを公表して嘘やデマなどを発信することがありますが、あとから法的トラブルに発展するケースも増えています。
誹謗中傷はどこで起こりやすい?具体例を挙げて解説
誹謗中傷は様々な場面で起こりますが、近年はインターネットやSNSを中心として起こるケースが急増していて深刻な社会問題にも発展しています。
ここでは、誹謗中傷が起こりやすい場面と具体例を挙げて解説します。
SNS
誰もが気軽に情報を発信できるSNSでは、”誰もが気軽に書き込める”という点において非常に誹謗中傷が発生しやすい環境になっています。
XやInstagramなどのプラットフォームではリプライ、引用リポストなどの機能を用いて相手を攻撃する行為が頻繁に起こっている状態です。
インスタグラマーや著名人などの個人を相手に「嘘の内容を書くな」「本当は○○なんだろう?嘘つき」「ブサイクが毎回自撮りしてくるな」など直接的な暴言を送る行為に加えて、他人が投稿した内容を引用して「毎回詐欺行為している人」「嘘つきにもほどがある」などのコメントを付けて拡散することも日常的に起こっています。
このような行為は侮辱罪、脅迫罪、名誉棄損、誹謗中傷などの行為に該当することが多いです。
インターネット
インターネットでの誹謗中傷は、個人や企業のサイトに設置してあるコメント欄やお問い合わせフォームなどでの書き込みが多い傾向です。
ブログ記事などのコメント欄で、特定の相手に対して根拠のない噂やデマを書き込むこともあります。
このような書き込みは、その内容が事実無根であっても相手の印象を変えたり社会的な評価を下げたりします。
検索エンジンでこれらの誹謗中傷が表示され続けることで、長期的に被害者に影響を与える事態になっているのです。
匿名の掲示板
インターネットが普及し始めた頃から、匿名の掲示板は誹謗中傷の温床でした。
このような掲示板は、基本的に匿名性での書き込みが一般的で日々過激な内容が書き込まれているのが現状です。
なかには特定の個人名や企業名を記載して「犯罪者が働いている○○会社」「社内不倫は○×商事の○○と△△がしている」などの記載もあり、これらが虚偽となれば名誉棄損に該当します。
他にも話題になった個人の氏名、勤務先などを無断で公開するのはプライバシー侵害に該当するので違法です。
口コミサイトやレビュー
商品やサービス利用時に口コミサイトやレビューを見て利用を決めるケースがありますが、消費者が商品やサービスに対して意見する場合は何も問題ありませんが、内容に「衛生管理がされていなくて汚い」「頻繁に食中毒が起こっているが新聞にも載らないからもみ消している」など虚偽の内容や情報を書き込んだ場合は誹謗中傷に該当します。
主観的な意見となれば、ネガティブな内容であっても口コミやレビューとして扱われますが、そこに虚偽や誇張した内容が含まれてしまうと名誉棄損や信用毀損になるということです。
口コミサイトやレビューも、相手の社会的評価を著しく低下させたり営業妨害にも取れる書き込みをしたりした場合は刑事責任の対象になるケースもあります。
誹謗中傷に遭ったら?できる対策は何?
誹謗中傷に遭ったと感じたら、即座に対応することが必要です。
ここでは、誹謗中傷に遭った時にすぐ実行したいことを解説します。
自分でできることを行う
自身に対して誹謗中傷と取れる内容や投稿を見つけたら、削除申請の前に証拠を残すようにしましょう。
後から流れてきた内容が多い場合、問題の投稿が埋もれて見つけにくくなるケースもあります。
問題のある投稿が掲載されているプラットフォーム、URL、発信元のアカウント情報、投稿された日時がわかるようにスクリーンショットなどで保存します。
投稿の特定で最も需要なのがURLとなるので、必ず確認するようにしましょう。
アプリなどで閲覧していて確認しにくい場合は、スクリーンショットの他に検索などで再度探して必ずURLだけは保存しておくのがおすすめです。
事実関係を整理する
問題となった投稿に関連する事情を把握している限りメモしておき、事実について整理しておきましょう。
過去の裁判では、ネットの投稿によって権利が侵害されたかどうかの判断にはサイトの他の書き込み内容や書き込まれた経緯などを考慮していたことから、これまでのスレッドの流れや他の投稿、他のアカウントとのやりとりなども参考にして開示請求が可能かどうかなどの見通しを立てていきます。
相談の時点で最初から投稿先のアカウントを含めて全体的に把握し、事実関係を確認しながら話し合うと正確な結論が出やすくなります。
プラットフォームに対しての報告と申請
誹謗中傷を受けたプラットフォームの報告窓口から内容を報告します。
各プラットフォームでは、独自のコミュニティガイドを設けていることが多く、これに違反している場合は投稿が削除される仕組みです。
ただし、申請すれば必ず削除されるという意味ではなく、ガイドラインに違反していると判断された場合に行われます。
必ず違反と判断されるとは限らないだけでなく、申請が通るまでに時間がかかるケースもあります。
サイト管理者やプロバイダへの削除依頼
SNS以外の場合は、サイト管理者やプロバイダに対して削除依頼を申請します。
各サイトには問い合わせフォームが存在するので、そこから削除依頼を行います。
ここで、削除依頼に応じてもらえない場合は弁護士を通じて書面で再度削除請求を実施したりプロバイダ責任制限法に基づいて発信者情報開示請求を行ったりできますが、これらは専門家を通じて行うことが推奨されているので弁護士などへ依頼するのが望ましいです。
一度被害に遭ったら再発防止についても対策が必要
誹謗中傷を受けた場合、解決した後も不安が残ることでしょう。
他人について自身はコントロールできないため、常に不安が付きまといますが、このような場合は事前の対応でもリスク軽減が期待できます。
例えば、SNSではアカウントを非公開にしたり、リプライやDMなどはフォローしている人にしたりなど、一定の制限をすることでリスクが軽減できます。
個人情報が特定されやすい環境や情報が掲載されている投稿を控え、位置情報をオフに設定します。
投稿前に内容をチェックすることで、個人情報について再確認ができるでしょう。
攻撃的なアカウントに出会ったらブロックやミュート機能を使って自身の心を守るようにするのも効果的です。
誹謗中傷を受けたことで、一気に不安な気持ちになりやすいのですが、まず相手の情報を得るためにスクリーンショットで残すことを忘れないようにしましょう。
相手の情報をきちんと保存し、専門家の力を借りて名誉を取り戻すような方法をアドバイスしてもらってから対策を行うと安心です。





















