風評被害は、SNS上やインターネット上の噂や虚偽情報、誹謗中傷によって企業の信頼が低下し、ブランド価値を毀損させる恐れがあります。
風評被害がもたらす影響は甚大であり、一度ブランド価値が低下すると信用を取り戻すには長い時間がかかります。
今回は、風評被害対策でブランド価値を守る方法を紹介します。
ブランド価値を守るための軸となる考え方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

企業のブランド価値を守るための考え方

風評被害で企業のブランド価値の低下を防ぐには、透明性の高い情報発信や誠実な対応を徹底することが大切です。
ここでは、企業のブランド価値を守るために必要な考え方について解説します。

透明性の高い情報発信

企業ブランドを正しく理解してもらうためにも、情報発信における明確なソーシャルメディアポリシーを定め、企業理念やビジョン・労働環境・商品製造過程・価格設定の根拠などを積極的に発信することが重要です。
そもそも、企業ブランディングの目的は競合他社ではなく自社を選択してもらうための根拠を作ることです。
商品やサービスの差別化だけでなく、企業としての姿勢や世界観なども積極的に発信していけば、共感した顧客はブランドを選んでくれる可能性が高くなります。
高い利益率を出すには、ブランドの確立が必要不可欠です。
透明性の高い情報発信を続ければ、たとえ風評被害で根拠のない噂が拡散されても、顧客が噂の真偽性を疑って反論してくれる可能性もあります。
顧客が味方になってくれるかどうかは、企業ブランドを守るために重要な要素となります。

誠実な対応を徹底する

企業側の誠実な対応は、企業の信頼とブランド価値を守るための大切な基盤と言えます。
トラブル時はもちろんですが、日常的に誠実なコミュニケーションを積み重ねておくことで、噂やデマが拡散されても顧客から「信頼できる」と思ってもらえる可能性が高くなります。
例えば、企業のトップとなる経営層が誠実な行動やブランドの存在意義を発信し続けるだけでも、自社の組織全体に浸透していくはずです。
本社だけでなく、現場の従業員一人ひとりが日々の業務でその価値観を体現していけるようになるでしょう。
こうした組織づくりを行うことで、風評被害が発生しても迅速かつ透明性の高い初動対応が可能になります。

事前にできる風評被害対策で企業ブランドを守ろう

企業ブランドの低下を防ぐには、風評被害が実際に発生してから対策をするのでは遅い場合があります。
事前にできる風評被害対策としては、社内体制の構築が鍵になります。

モニタリング体制の構築

まずは、自社名やブランド名、商品名・サービス名など、自社に関連するキーワードを設定し、SNSや掲示板、口コミサイト、検索エンジンの動きなどを自動検知・通知してくれるモニタリングシステムを導入します。
モニタリング体制を構築することで、SNS上やインターネット上の風評被害や炎上リスクのある書き込み・記事の早期発見につながります。
特に検索エンジンでは、自社名を入れた際にネガティブなキーワードが候補として表示されていないかを定期的にチェックすることも大切です。

危機管理マニュアル策定

風評被害発生時の危機管理体制を構築するため、危機管理マニュアルを策定します。
企業ブランドの危機発生時の対応フローをマニュアルとして策定しておけば、いざという時の初動対応が迅速になります。
危機管理マニュアルには、危機レベルに応じた対応方針・対応チームのメンバーや役割・エスカレーションフロー・メディア対応やSNS対応におけるガイドライン・ステークホルダーに応じた連絡手段などを盛り込みましょう。
謝罪や事実関係の調査中など、初動対応となるプレスリリースや公式サイトの公式声明の文面もテンプレートを作成しておくと安心です。

ブランドガイドラインの徹底

ブランドガイドラインは、自社内外においてすべての関係者がブランド要素を統一して運用するためのガイドラインです。
風評被害対策としてだけでなく、企業ブランドの一貫性維持や統一管理などにも重要です。
ブランドガイドラインを策定しているなら、すべての従業員や関係者に周知・厳守させることを徹底しましょう。
特にSNS運用ルールや広告表現の審査プロセスについても明確化し、コミュニケーションに起因する危機を回避する必要があります。

正確な情報発信

風評被害を防ぐには、正確な情報発信が必要不可欠です。
透明性の高い情報や最新情報は、公式サイトやSNSを通じて定期的に発信しましょう。
正確な情報発信を行っていれば、仮に噂やデマが流れても、拡散を抑制できる可能性が高いです。
特に、顧客に直接影響を与える商品やサービスに関する情報は定期的に発信し、顧客の疑問や不安感をなくしてブランドの信頼性を高めておくことが大切です。

従業員教育・研修

風評被害は必ずしも第三者が行うものではありません。
場合によっては、従業員や元従業員があることないことをSNS・ブログ・掲示板などに書き込んでしまうケースもあります。
このような状況を未然に防ぐためにも、従業員教育でSNS利用に関するルールや情報管理の重要性、コンプライアンスの基本知識などを定期的に共有することが大切です。

また、顧客対応やクレーム対応の研修を実施することも有効です。
従業員が適切な対応方法を理解していれば、トラブルの拡大や誤解による炎上を未然に防ぎやすくなります。
さらに、風評被害が発生した際の報告フローや初動対応についても周知しておくことで、問題発生時に迅速な対応ができるようになります。
継続的な教育・研修を通じて、組織全体のリスク管理体制を強化し、ブランド価値の維持につなげていきましょう。

ブランド価値の低下を最小限に抑える、風評被害発生時のステップ

風評被害が発生した場合、対応が遅れたり誤った対応を取ったりすると、企業のブランド価値がさらに低下する恐れがあります。
一方で、迅速かつ適切な対応を取れば、被害の拡大を抑えることができ、企業・ブランドへの信頼回復につながる場合もあるでしょう。
ここでは、風評被害が発生した際に企業が取るべき基本的なステップを紹介します。

事実関係の確認

風評被害が発生した際は、まず情報の真偽や発生状況などを正確に把握することが重要です。
SNSや口コミサイト、掲示板などでどのような内容が拡散されているのか確認し、事実なのか、それとも誤解やデマなのかを整理します。
風評被害を防ごうと十分な調査を行わないまま対応したり、感情的に反論したりすると、かえって炎上を招く恐れがあります。
社内の関係部署とも連携を取りながら情報を収集し、客観的な事実関係を確認した上で対応方針を決定することが大切です。

公式見解の発表

誤った情報や憶測が拡散している場合、企業として公式見解を発表することを検討しましょう。
公式サイトやSNS、プレスリリースなどを通じて正確な情報を発信することで、誤解の拡大を防ぎやすくなります。
ただし、事実確認が不十分な状態で声明を出すと、後から内容を修正しなければならなくなる場合もあります。
そのため、十分な調査を行った上で、誠実かつわかりやすい説明を心がけることが重要です。
透明性のある情報発信は、顧客や取引先からの信頼維持にもつながるでしょう。

悪質な投稿の削除申請

明らかに誹謗中傷・虚偽情報であることがわかる投稿に対しては、サイトや掲示板などの運営会社に削除申請を行うことも有効な対応策の1つです。
SNSや口コミサイト、掲示板などでは、利用規約に違反する投稿を削除できる仕組みが用意されている場合もあります。
削除申請を行うために、問題となる投稿のURLやスクショなどの証拠を前もって保存しておくことが重要です。
また、削除までに時間がかかることもあるため、早めに対応を開始することで被害の拡大を防ぎやすくなります。

弁護士や警察への相談

悪質な誹謗中傷や業務妨害、脅迫行為などが行われている場合には、弁護士や警察への相談も検討しましょう。
法的措置を取ることで、投稿者の特定や損害賠償請求、投稿削除などにつなげられる可能性があります。
また、専門家の助言を受けることで、自社だけでは判断が難しいケースにも適切に対応しやすくなります。
風評被害が深刻化する前に専門機関へ相談し、法的・実務的な観点から最適な対策を講じることが、ブランド価値を守るための重要なポイントです。

 

企業のブランド価値は、単にロゴやデザインが関係しているだけでなく、企業の理念やビジョン、顧客との関係性など、企業を構成する様々な要素を包括したものであり、ブランド価値の高さによって企業に対する信頼度や売上などにも影響が出てきます。
しかし、風評被害によってブランド価値が低下してしまい、再起が難しくなるケースも少なくありません。
風評被害によってブランド価値を低下させないためにも、風評被害が起きる前から対策を講じることが重要です。
風評被害対策を継続的に取り組み、企業のブランド価値を守りましょう。