誹謗中傷を受けると、例えば根拠のない噂やデマであっても精神的なダメージが大きく、企業であれば社会的信用の失墜といったリスクもあります。
実生活への影響も考えられるため、対策をしてリスクを抑える必要があります。
しかし、間違った対応をすれば、問題がより大きくなる可能性があります。
被害が拡大すれば経営にも大きなダメージを及ぼす危険性があるため、正しい方法で対応しなければいけません。
そこで今回は、誹謗中傷を受けた際のNG行動や正しい対処法について解説していきます。
万が一の際に冷静に対処するためにも、炎上時に注意すべき点を把握しておきましょう。

誹謗中傷を受けた際のNG行動

誹謗中傷を受けた際、冷静な対応を心掛けなければ、さらに事態が炎上してしまいます。
ダメージを大きくしないためにも、NGとされる行動をしっかりと理解しましょう。

感情的に反論する

企業やお店が誹謗中傷を受けた際、感情のままに反論してしまう行為は逆効果です。
内容が根拠のない嘘やデマであれば、「違う」「そんなことはしていない」と強気な姿勢で対応したいと考える方もいます。
しかし、感情的な言葉遣いや反論は、新たな批判を生む可能性があるため危険です。
炎上がさらに拡大し、信用を失う可能性があるため注意しましょう。
対応の仕方によっては「問題のある企業」「誠意のない会社」といった印象を世間に抱かれてしまうため、回復をするまでに多大なコストや時間を要してしまいます。

放置する

「単なるデマ」「時間が経てば事態は収まる」などと楽観的に考える方もいますが、放置する行為もリスクが高いため推奨されません。
安易に無視をすれば「書き込みの内容は事実なんだ」と捉える人は多くいるため、ネット上にある誹謗中傷は無視をしないようにしましょう。

すぐに削除申請を行う

誹謗中傷の投稿を見つけた際、問題が大きくなることを危惧して「すぐにでも削除申請をしなければ」と考える方もいます。
確かに、投稿をそのままにすれば、より多くのユーザーが目にするため、事態が大きくなる可能性があります。
しかし、証拠を保全せずに削除してしまうと、加害者を法的に追及する手がかりを失ってしまいます。
投稿そのものが消えれば発信者情報開示請求に必要なIPアドレスや投稿日時が確認できなくなるため、必ず証拠を残してから申請するようにしてください。

誹謗中傷された際の正しい対処法

誹謗中傷による被害を最小限に食い止めるには、適切な対応が不可欠です。
漠然とした対応をとれば、新たな誹謗中傷を生み出すリスクも低くなります。
ここでは、誹謗中傷をされた際にとるべき対処法について解説していきます。

証拠を集める

誹謗中傷となる投稿を削除してしまえば、投稿者に対する法的措置が困難になります。
事態が大きくなれば投稿者自身で投稿を削除したり、編集したりする可能性もあるため、発見したら早い段階で証拠を残すことが重要です。
集める証拠は以下の通りです。

  • 投稿内容のスクリーンショット
  • 投稿者のID
  • 投稿された日時
  • 投稿されたサイトのURL
  • 投稿に対するインプレッション数や検索順位、拡散数などの資料

最初の段階で法的措置をとることが決まっていなくても、証拠を残しておけば後々使えるため必ず確保しておきましょう。

削除請求

掲示板や口コミサイト、SNSなどに書き込まれている誹謗中傷となる投稿の削除を求めることを削除請求と言います。
投稿者本人に対して直接削除を請求することもできますが応じてくれるとは限りません。
その場合は、SNSの運営者やサイトの管理者に対して削除依頼をすることも可能です。
XやInstagram、YouTubeなどには、専用の報告フォームや削除依頼フォームが用意されています。
そこに削除してほしい理由や証拠などを添付することで申請できます。
具体的な方法については、法務省による「インターネット上の誹謗中傷書き込み削除依頼の手引き」をチェックしてみてください。

発信者情報開示請求

悪意ある書き込みをした者に対して損害賠償の請求といった刑事告訴を検討している場合は、発信者情報開示請求をして投稿者を特定する必要があります。
インターネット上では、匿名で書き込みができるため、投稿者が不明なケースがほとんどです。
その場合は法的措置を取れないため、開示請求をして投稿者の情報を把握しなければいけません。
任意開示に応じてくれるサイト運営者は多くないため、多くの場合で裁判所への請求が必要になります。
また、発信者情報開示命令の申立てを行った場合には、サイト管理者に経由プロバイダがどこなのか開示を求める提供命令の申立ても同時に行うケースが多いです。

損害賠償請求

民法上、違法な誹謗中傷は不法行為にあたります。
損害を被った場合には被害者は加害者に対して損害賠償を請求できるため、状況に応じて請求を検討しましょう。
初めは、弁護士の名義で内容証明郵便を送るといった訴訟外の交渉で請求を行うのが一般的です。
受け取りを拒否されたり無視されたりするようであれば、民事訴訟による損害賠償請求をすることになります。
また、悪質性が高いケースであれば刑事告訴を検討することも可能です。
名誉毀損罪や侮辱罪、威力業務妨害罪といった罪状で告訴することが考えられます。

誹謗中傷によるリスクを抑えるための方法

誹謗中傷が発生すれば、時間や労力を削って対応する必要があります。
精神的な負担、経営への影響を最小限に抑えるためにも、誹謗中傷を抑えるための方法を解説していきます。

対応マニュアルを作成する

誹謗中傷が行われた際にどう対処していくのか、事前にマニュアルを作成しておくとスムーズな対応が可能です。
特にSNSは拡散力が高いため、早期対応が不可欠です。
下記の事項をあらかじめ定めておくことで、迅速に対応できます。

  • 誹謗中傷を発見した時のフロー
  • 対応判断の基準
  • 投稿削除の判断
  • 削除依頼を行うフロー
  • 公式見解の発表手順
  • 法的措置の判断基準
  • 法的措置のフロー

従業員教育の実施

誹謗中傷の中には、従業員による不適切な行動で口コミや投稿が拡散されるケースもあります。
例えば以下のような事例です。

  • アルバイト店員がお店で悪ふざけをする様子をSNSに投稿した
  • 自社の従業員が他の企業を見下すような言葉をSNSで発信した
  • 顧客に対して不適切な対応をした
  • 未公開のプロジェクト情報をSNSに書き込んだ
  • 他の社員のプライバシーに関わる情報をネット上に書き込んだ

1人の従業員による行動でも、拡散すれば企業に対する誹謗中傷につながります。
SNSの活用方法やネットリテラシーなど、従業員に対する教育を徹底するようにしましょう。

モニタリング体制の構築

誹謗中傷による被害を最小限に抑えるためにも、早期発見や対応を実施できる体制の構築が必要です。
モニタリングは、SNSや掲示板、検索エンジンのサジェストなど、ネガティブな投稿や炎上の兆候を早期発見するための手法です。
自社で会社名や商品名、サービス名などをエゴサーチして発見することもできますが、自動監視ツールの活用や専門業者への委託を検討すると業務の負担を軽減できます。
モニタリング対象のメディアやサポートしてくれる範囲など、あらゆる点を総合的に判断して、活用を検討してみてください。

誹謗中傷を対策せずにいれば風評被害の拡大や企業イメージの低下、売上の減少や採用活動の難航など、様々なリスクがあります。
企業にとって大きな損失をもたらす要因にもなり得るため、対策に取り組むことが重要です。
今回ご紹介した内容を参考に、対応や予防策を実行してみましょう。