効率的なWebマーケティングを行うには、自社のサイトがSERPsで上位に表示されるようにして、より多くのユーザーに注目してもらうことが大切です。

そのためには、まずSERPsに関する理解を深める必要があります。

この記事では、そもそもSERPsとは何かから、SERPsに表示される項目、表示されるまでの流れ、上位表示を目指す際のポイントまで解説していきます。

SEO対策の基本を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

SERPs(サープス)とは?

SERPsとは、「Search Engine Result Page」の略で、検索エンジンにおける検索結果画面のことを指します。

SERPsの構成は、広告枠と自然検索枠に大きく分けられ、広告の下に自然検索の結果が表示されるようになっています。

広告は費用を支払うことで、対象キーワードや掲載内容を決められますが、自然検索は検索エンジンのアルゴリズムによって表示順位が決まります。

基本的に、SERPsでの表示順位が高いほどアクセス率が高く、成果につながりやすい傾向にあります。

そのため、多くのサイト運営者がSERPsで上位表示を目指す「SEO対策」という取り組みを行っています。

SEO対策は、広告と違って費用をかけずに集客できるWebマーケティング方法ですが、SERPsの表示順位を上げるには様々な対策が必要です。

 

SERPsの表示順位を上げるメリット

SERPsの表示順位を上げることによって、次の3つのメリットが得られます。

・認知拡大を図れる

・ニーズを的確に把握できる

・コンテンツの質が向上する

それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

 

認知拡大を図れる

SEO対策を行ってSERPsの表示順位を上げることで、Webサイト訪問者の増加が期待でき、より多くの人に認知してもらえるようになります。

Googleは、ユーザーの利便性を向上させるために、検索結果画面に表示する情報を充実させています。

そのため、SEO対策に力を入れるほど認知拡大につながると考えられます。

 

ニーズを的確に把握できる

SEO対策は、マーケティングにも非常に役立ちます。

リスティング広告やその他のWebコンテンツの表示状況、ユーザーが選択しているキーワードなどを分析することで、消費者が本当に求めている情報や検索の真意を把握することもできます。

SEO対策によって、ユーザーのニーズや競合の動向などを的確に把握できれば、今後のWebマーケティングを成功させるためのヒントも見つかるでしょう。

 

コンテンツの質が向上する

SERPsの上位に表示されるようになり、訪問者が増えてユーザーのニーズを的確に把握できるようになれば、コンテンツの質も自然と向上します。

ユーザーのニーズを満たせる良質なコンテンツを提供すれば、自社サイトが上位に表示される可能性はさらに高まります。

Webサイトの運営者にとって、SERPsの上位化を図ることはいいことづくめだと言えるでしょう。

 

SERPsに表示される7つの項目

SERPsの上位化を図る前に、SERPsにはどのような情報が表示されているのかを理解しておくことが大切です。

ここでは、SERPsに表示される7つの項目をご紹介します。

 

リスティング広告枠

リスティング広告枠とは、費用を支払ってSERPsの上位に表示させる枠のことです。

ユーザーが検索したキーワードと連動して表示されますが、出稿されている広告数が多い場合は、広告の単価や質、キーワードとの関連性などによって表示される広告が決まります。

クリック課金制となっており、ユーザーにクリックされる度に費用が発生しますが、必ず上位に表示できるため時間をかけずに上位表示したい方に適しています。

しかし、上位表示されることによってターゲットユーザー以外のクリックが増えたり、「広告」と表記されることで敬遠されたりする可能性もあります。

また、クリック単価を低くし過ぎると、広告枠に表示されないこともあるため注意が必要です。

 

バーティカル検索

バーティカル検索とは、特定のカテゴリごとに検索結果を絞り込める機能のことで、「専門検索」とも呼ばれています。

Googleの場合は、検索窓のすぐ下に「すべて」「画像」「ニュース」「ショッピング」「動画」「地図」などのカテゴリが表示されており、目的に応じたカテゴリを指定することで、必要な情報にたどり着きやすくなります。

カテゴリの表示は固定ではなく、検索キーワードによって変化します。

例えば、「地図」というカテゴリは、地名で検索した時に表示されますが、人名で検索した場合には表示されません。

また、検索ニーズが高いものほど、左側に表示されることから、SEO対策の参考にもなります。

 

ユニバーサル検索

ユニバーサル検索は、キーワードに関連する画像や動画、地図、ニュースなどを自動的に表示する機能です。

例えば、Googleで「パスタ」と検索した場合、ページの右側にパスタについて説明するウィキペディアが表示され、同時にパスタ店の地図や営業時間、さらにはレシピ、関連するニュースなども表示されます。

ユニバーサル検索にはいくつか種類がありますが、代表的なものは次の3つです。

ローカルパック:店舗の地図や営業時間などを表示

ナレッジパレル:人や物、場所に関するキーワードを表示

商品リスト広告:キーワードに関連するECサイト上の商品を表示

ユニバーサル検索は便利な機能である反面、意図せず上位に表示されてしまうため、SEO対策の観点からすると検索上位のクリック率を下げてしまうことが危惧されます。

 

サイトリンク

サイトリンクは、特定の商品やサービス、ブランドなどを検索した際に、トップページのリンクだけでなく、サイト内の主要リンクも表示する機能です。

サイトリンクを表示させるには、サイト内の構造やナビゲーションを整理したり、ナビゲーションにリンクを設置したりとするなどの対策を行う必要があります。

しかし、ユーザーにわざわざサイト内から探してもらわなくても、検索エンジンから直接、新規登録やログイン、購入、問い合わせなどのページにアクセスしてもらえるため、SEO対策に一環として有効です。

 

リッチザルト

リッチザルトとは、検索結果の内容が不十分な場合に、サイトの上下に追加で表示される情報です。

主なリッチザルトとしては、次のものが挙げられます。

・FAO

ディスクリプションの下に表示されるよくある質問と回答です。

デフォルトの場合は一部しか表示されませんが、「すべて表示」を選択するとその他のFAQも表示されるようになります。

・パンくずリスト

サイトタイトルの上やディスクリプションの下に、「ホーム>会社情報>代表挨拶」といったように表示されます。

ユーザーが、現在どのページにアクセスしているのかを確認するのに役立ちます。

・レビュー

ユーザーからの口コミや評価を星マークで表示し、星マークの横の数字は評価をしたユーザー数を表します。

 

アンサーボックス

アンサーボックスは、通常の検索結果とは別に、ページ最上部にボックスで囲んだ形で表示されるキーワードへの回答です。

最上部に表示さことでユーザーの目に付きやすいため、SEO対策の中でも見逃せない項目の一つです。

アンサーボックスには、強調スニペットやナレッジパネル、ライブザルトなどの種類があります。

・強調スニペット

強調スニペットは、ユーザーが「〇〇とは」というような質問をキーワードにして検索した場合、ページの最上部に回答となる情報が掲載されているサイトを表示します。

・ナレッジパネル

ナレッジパネルは、検索対象を端的に説明する情報ボックスです。

例えば、著名人の名前で検索すると、ページの右側にウィキペディア情報や出演しているメディア、関連する人物などが展開されます。

・ライブリザルト

ライブリザルトは、検索キーワードに応じたリアルタイムな情報を表示します。

スポーツの試合結果や天気予報、為替情報などなどを知ることができます。

 

Googleショッピング・Googleしごと検索

Googleの機能の一つであるGoogleショッピングは、検索キーワードに合わせてWeb上で購入できるサイトを表示します。

検索結果から直接、商品を購入できるページに飛べる便利な機能ですが、SEO対策としては、どういったキーワードで表示されるかを把握しておくことが重要になります。

また、求人に関連するキーワードに対して最適な情報を表示するのがGoogleしごと検索です。

求人ページへのアクセスを増やしたい時に、意識すべき機能といえます。

 

SERPsに表示されるまでの流れ

SERPsに表示させるには、クローリング→インデクシング→スコアリングといった段階を経る必要があります。

この一連の流れについても、確認しておきましょう。

 

クローリング

クローリングとは、クローラーと呼ばれる情報収集ロボットが、Web上にある様々なサイトを巡回して情報の複製や保存を行うことをいいます。

コンテンツを公開しても、クローラーに発見してもらえなければ、次のステップに進めません。

インターネット上には随時、膨大な数のコンテンツが追加されており、クローラーに見つけてもらうまでにはある程度の時間がかかります。

そこで、インデックスされるまでの時間を短縮するために、XMLサイトマップを送信するなど、自分からクロールをリクエストすることもSEO対策につながります。

 

インデクシング

クローラーが収集した情報を、データベースに保存することをインデクシングと言います。

公開したコンテンツは、インデックスされてはじめてSERPsに表示されるようになります。

立ち上げたばかりのサイトやエラーが起きているサイト、クローラーに質が低いと判断されたサイトは、インデクシングされない可能性もあるため注意が必要です。

 

スコアリング

インデクシングされた情報を評価し、SERPsに表示する際の順位を決めるプロセスがスコアリングです。

スコアリングは、検索エンジンのアルゴリズムによって行われており、サイトの内容や技術的な要素、ユーザーの滞在時間など、数百に及ぶ項目を一定の基準で評価します。

高スコアを獲得して上位表示されるためには、ユーザー目線に立った質の高いコンテンツを制作しなくてはなりません。

また、スコアリングのポイントは常に更新されているため、SEOの知識を定期的にアップデートすることも大切です。

 

SERPsで上位表示を目指す際のポイント

Webマーケティングの効果を最大限に引き出すには、SERPsで上位表示を目指す必要があります。

ここでは、SERPsで上位表示を目指す際のポイントを3つご紹介します。

 

複数の媒体で対策する

Googleでの検索結果における表示順位は、他の媒体での順位も影響します。

そのため、SERPsで上位表示を目指すには、Googleだけでなく複数の媒体で最適化を行いましょう。

例えば、SERPsの上にYouTubeの動画が表示されているのであれば、YouTubeで対策することでGoogleでも表示されるようになります。

ただし、複数の媒体で対策するには、どれくらいの時間やコストが必要になるかをしっかりと試算してください。

 

構造化データのマークアップ

Googleの検索エンジンに文字情報を認識させるためのデータを「構造化データ」と言います。

SEO対策では、HTMLのタグを使って構造化データを実装するマークアップを行うのも有効です。

構造化データをマークアップすることで、SERPsの大部分を占めているリッチザルトが表示されるようになります。

純粋な検索結果以外にも、ユーザーの関心を引く様々な情報が表示されるようになるため、まだ導入していない方は検討してみてください。

 

音声検索への対応

近年、SEO対策として注目度が高まっているのが音声検索です。

アメリカでは、全検索の半数が音声検索になるとも言われており、日本でも5GやMR/ARグラスの普及によって、音声検索の存在感は増していくと予想されます。

そのため、将来を見据えた早めの対策がおすすめです。

音声検索というと、複雑なものと捉えられがちですが、音声検索に採用されるコンテンツの約75%が検索結果で上位3位以内に入っていること、音声検索で読み上げられる内容の約41%が強調スニペットに含まれる内容といったことから、鍵となるのは従来のSEO対策であることが分かります。

 

SEO対策を外部委託する場合の費用相場

自分たちだけで対策を行うことも可能ですが、時間をかけずに上位表示させたい場合は、外部委託を検討するのもおすすめです。

SEO対策を外部委託する場合の費用相場は、月10万~50万円程度です。

また、サイト構築を含めて依頼すると、10万~100万円程度になります。

SEO対策をプロに任せると、費用はかかりますが「常に最新のアルゴリズムに則った対策ができる」「客観的な分析・改善が図れる」「成果がスピーディーに出る」「本業に集中できる」といった、様々なメッリトを得られます。

 

まとめ

Webでの集客率を上げたい場合は、適切なSEO対策を行ってSERPsでの上位表示を目指すことが大切です。

しかし、Googleのアルゴリズムは日々進化しているため、その時最善の対策を施しても、アルゴリズムのアップデートによって順位が大きく下がってしまう可能性もあります。

そのため、担当者は常に最新のSEOを把握しておかなくてはなりません。

自分たちだけで対策するのが難しい方は、SEOに強い専門家の力を借りることも検討してみしょう。