最近自社の評判が悪い、昔から付いている悪いイメージがなかなか改善されないと悩んでいる方は多いでしょう。
近年では特に多くの人がSNSで様々な情報を発信することから、1度悪いイメージが付くと改善するのが困難だと言われています。
そんな時代だからこそ、レピュテーションマネジメントはとても重要なのです。
今回は、レピュテーションマネジメントとはどんなものなのか、実施方法、実施するメリットなどをご紹介します。
レピュテーションマネジメントについて知りたい方はもちろん、企業ブランドのイメージを上げたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
レピュテーションマネジメントって何?
レピュテーションマネジメントは企業に欠かせないマネジメント活動の1つです。
レピュテーションマネジメントでは、企業の評判に着目し、ブランドイメージの向上につなげていきます。
もちろん、評判やブランドイメージの多くは消費者やユーザーによって決まっていくものです。
しかし、企業側も評判やブランドイメージについて積極的になることで、理想的なイメージの構築が期待できるのです。
レピュテーションマネジメントを実施する目的についても詳しく見ていきましょう。
悪くなったイメージを回復させる
近年、スマートフォンやタブレット、パソコンなどが普及したことから、SNSなどでの情報発信も活性化しています。
そのため、事実ではない情報が広まって企業のイメージがダウンしたり、曖昧な情報で消費者やユーザーが混乱してしまったりすることが増えました。
1度発信された情報は瞬く間に拡散され、削除し続けても、また誰かがその情報を流してしまうため、完全に消し去ることは困難です。
その結果、企業の評判も下がり、大きなダメージを受けてしまうケースが多いのです。
レピュテーションマネジメントの目的は、そのようにして付いてしまった悪いイメージを回復させることです。
企業のブランドイメージを維持・向上させる
レピュテーションマネジメントの目的は、悪化した評判を回復させることだけではありません。
今の評判を維持、向上させることも可能な活動と言えます。
例えばSNSなどを用いて、ユーザーや消費者とコミュニケーションを取るなどの活動もレピュテーションマネジメントの1つです。
SNSを通して、ユーザーや消費者からの意見、ニーズなどをチェックしながら進めていくので、イメージの向上にもつなげやすいのです。
レピュテーションマネジメントが必要になるのはどんな時?
では、実際にレピュテーションマネジメントを実施するべきなのは、どのような時なのでしょうか。
レピュテーションマネジメントが必要になるのは、レピュテーションリスクが表面化する前です。
レピュテーションリスクとは、「企業の悪いイメージ、評判が社会全体に拡散されてしまい、大きなダメージを受けるリスク」のことです。
つまり、レピュテーションマネジメントは、たとえ自社に悪いイメージが付いていなくても日頃から実施しておくことが望ましいと言えます。
レピュテーションリスクが表面化してしまう原因を把握すると、レピュテーションマネジメントの重要性を感じられるかもしれません。
ここからは、レピュテーションリスクが表面化してしまう原因を見ていきましょう。
現在以下のようなことが起きてしまっているという場合は、早急にレピュテーションマネジメントを実施する必要があると言えます。
口コミやSNSでのクレーム
商品やサービスについてのクレームが口コミやSNSに書かれてしまうと、レピュテーションリスクが表面化してしまう可能性が高いです。
異物混入や賞味期限切れ、接客態度、過剰請求など、クレームの原因となることは数多くあります。
これらのクレームが拡散されてしまえば、企業の信頼度が下がりかねません。
不祥事やコンプライアンス違反の内部告発
利益重視、隠ぺい体質の企業などは、不祥事やコンプライアンス違反が原因でレピュテーションリスクが生じます。
社員が不満に思うパワハラやセクハラ、長時間労働などがSNSで内部告発されるケースがあるのです。
企業の体質を変えていこうというタイミングで拡散されてしまうことも少なくないため、注意が必要です。
誇張された話が拡散されてしまうケースもありますが、誇張されたままのイメージになってしまうことが多いことから、より大きなダメージを受けてしまうでしょう。
現実と評判にギャップがある
高品質、上等、ハイクオリティなどと謳い、ユーザーや消費者に期待させる手法にも注意が必要です。
商品やサービスが謳い文句とは程遠いクオリティだと、その商品やサービスの実態と評判にギャップが生まれます。
ユーザーからの信用がなくなるだけでなく、レピュテーションリスクも高くなるでしょう。
事実ではない噂や風評が広がっている
根拠のない情報や誤解を生むような噂が広がってしまうと、レピュテーションリスクが高まります。
事実ではない情報を拡散するのは、ユーザーや消費者だけでなく、自社の社員や退職者である可能性も少なくありません。
嘘の情報を世の中に流すことは罪になるものの、何も知らずに拡散された情報を信じてしまう人は一定数存在します。
そのため、デマを流した犯人が捕まったとしても、企業のイメージダウンは止められないこともあるのです。
レピュテーションマネジメントのメリット
レピュテーションリスクや表面化する原因を知ると、レピュテーションマネジメントの実施は欠かせないことが分かります。
しかし、自社で気を付けていれば必要ないのではないかと考える方もいるのではないでしょうか。
ここからは、本格的なレピュテーションマネジメントを実施するメリットについて詳しくご紹介します。
商品やサービスの改善につながる
レピュテーションマネジメントは、「ネガティブな意見、評判を書かれないようにする」ためだけに実施するわけではありません。
例えば、「店員の接客態度がよくなかった」という口コミがあれば、企業全体で接客態度を改めたり、再度教育し直したりするなど、改善するために動くことができます。
「この商品はもう少しサイズが小さければもっと良いのに」といった、消費者のニーズを把握できることもあります。
評判やニーズをチェックし、改善していけば、より良い企業にしていけるのです。
そういった姿勢をユーザーや消費者に見せることは、ブランドイメージ向上にもつながる他、新たなファンの獲得も期待できます。
結果的にレピュテーションリスクも低くなるでしょう。
信頼回復が比較的容易になる
レピュテーションマネジメントを徹底していれば、不祥事やクレーム、根拠のない噂が拡散された時でも、迅速な対応が可能になります。
事態発生にすぐ気付けることから、速やかに対応でき、風評被害のリスクを抑えられるのです。
日頃からレピュテーションリスクが表面化した時の対処法を考えておくことで、対応や判断の速さが評価され、信頼回復にかかる時間が短縮できる可能性もあるでしょう。
好印象を与えられる
積極的に自社の情報を発信する、広報活動に力を入れると、レピュテーションリスクを抑えることにつながります。
良いイメージが拡散されれば、ブランドイメージアップはもちろん、好印象を与えられることから、新規ユーザーの獲得も期待できます。
レピュテーションマネジメントのやり方は?
レピュテーションマネジメントは、様々な実施方法があります。
自社に合った方法を選ぶのはもちろん、得られる効果が高い方法を選択することが大切です。
ここからは、レピュテーションマネジメントを実施する方法をご紹介します。
専門家に依頼する
より効果の高いレピュテーションマネジメントを実施したい場合は、専門家への依頼が望ましいです。
知識やノウハウが豊富で、リスクを最小限に抑えることも可能でしょう。
レピュテーションマネジメントの専門家として挙げられるのは、レピュテーションマネジメントを提供している業者や弁護士などです。
レピュテーションマネジメントにリソースを割けない、全てのレピュテーションマネジメントを行うのは難しいという場合も専門家に依頼するのがおすすめです。
自社に負担がかからないため、本来の業務にしっかりと力を入れられます。
ネット風評監視サービスを利用する
企業の規模が大きい場合は、風評のチェックを肩代わりしてくれるネット風評監視サービスを利用する方法もあります。
SNSはもちろん、掲示板やブログなどを監視、管理してくれます。
ネット風評監視サービスには人力以外にも、ツールを使って自動で行うものがあり、人力よりもリーズナブルです。
自社内でもレピュテーションマネジメントを行いたいという場合は、ネット風評監視ツールを併せて使ってみるのも良いでしょう。
自社のSNSアカウントで情報発信をする
先ほどもご紹介したように、積極的にポジティブな情報を発信することはレピュテーションマネジメントにおいてとても重要です。
ターゲットとしている層が多く利用しているSNSを把握し、自社に合ったサービスを選ぶことから始めましょう。
もちろん、SNSだけでなく、自社のメディアでコンスタントに発信していくこともレピュテーションマネジメントになります。
新規ユーザーの獲得を目指すなど、状況に応じて変更、併用していくことも検討してみましょう。
従業員の教育
従業員の言動が原因でレピュテーションリスクが表面化することは少なくありません。
そのため、従業員が問題のある言動をしないよう、入念に教育を行うことはレピュテーションマネジメントにおいてとても重要です。
社内でしっかりとレピュテーションリスクについて共有し、内部で起こり得る問題が起きないように働きかけましょう。
ここで注意したいのが、その従業員の労働環境です。
どれだけしっかりと教育しても、従業員が評判を落としたくなるような労働環境では、問題行動を抑制できません。
従業員の教育と並行して、気持ち良く働ける社内環境作りをすることも重要と言えるでしょう。
レピュテーションマネジメントの注意点
レピュテーションマネジメントは、ただポジティブな情報を発信しているだけではレピュテーションリスクが表面化してしまう可能性があるので注意が必要です
ここからは、レピュテーションマネジメントの注意点をご紹介します。
自社から発信する時は内容をしっかりチェックする
自社にとってポジティブな情報であればリスクが高まることはないと考え、容易に内容を決定してしまうケースがあります。
しかし、情報を受け取る側が誤解してしまう、嫌な気持ちになってしまう内容だと、レピュテーションリスクが高まってしまうのです。
拡散されてしまうと、さらに企業の評価が下がってしまう可能性もあるでしょう。
発信する内容は、複数人でチェックし、慎重に決定する必要があると言えます。
レピュテーションリスクが表面化した時の対処法
レピュテーションマネジメントを行っていても、様々なことが原因でレピュテーションリスクが高まります。
そんな時、どのように対応していくのかを社内で共有しておくことが重要です。
レピュテーションリスクが高まった場合、どれだけ早く対応・判断できるかによって、企業のイメージが変わってきます。
表面化した時にどう動いていくのか、流れをしっかりと考えておきましょう。
まとめ
レピュテーションマネジメントは、現代において企業に欠かせないマネジメント活動です。
特にSNSでは、事実であろうとなかろうと、拡散されてしまえば、企業の評判が下がってしまうリスクがあるのです。
大きなダメージを受けないようにするためには、日頃からレピュテーションリスクについてしっかりと把握しておき、リスクになり得る原因をできるだけ排除していくことが大切です。
さらに、自らポジティブな発信をする場を作る、意見やニーズを把握してしっかりと商品・サービスに反映させるといったことも重要な要素となります。
好ましくないことが起こった時は、すぐに対応できるよう、対処法を考えておきましょう。
SNSにターゲットが多い企業は特に、レピュテーションマネジメントの導入が欠かせないはずです。
ぜひ今回ご紹介したメリットや方法を参考にしてみてください。
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